2012.05.10 Thursday
『遠い水平線』アントニオ・タブッキ

遠い水平線 アントニオ・タブッキ/須賀敦子 訳/白水社
ある夜運びこまれた身元不明の男の他殺死体。死体置場の番人スピーノは、不思議な思いにかられて男の正体の探索を始める。断片的にたどられる男の生の軌跡、港町の街角に見え隠れする水平線――。遊戯性と深遠な哲学性が同居する、『インド夜想曲』の作者タブッキの小説宇宙の真髄。
タブッキの不思議な感覚世界に揺らめき溺れました。
天と地の境目にうっすらと引かれる水平線。
くっきりと分かれているようで、けれどもその境目は淡く消え入りそうに曖昧で…
この作品の現実と幻想の境目でも行きつ戻りつその交わりのところでふわふわ漂ってました。
ある夜他殺死体で運ばれた男の正体を探索し始めた、死体置き場の番人スピーノ。
その探索の先に到達する結末とは。
結末を迎えても気持ちの波紋は広がり続け、その謎と意味を模索しているところ。
とりわけ夢の話や最後の場面が印象的。
終始曖昧模糊で謎めいていてふんわりした読後感。
読了日:2012年4月13日















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