ひなたでゆるり

読書のコトとちょっぴり日々のコトブログ

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

スポンサードリンク | - | - | - | 

『第二音楽室―School and Music』佐藤多佳子

第二音楽室―School and Music
第二音楽室―School and Music
佐藤多佳子/文藝春秋
重なりあい、どこまでも柔らかく広がる四つの旋律。眩しくて切なくてなつかしい、ガールズストーリー。

4編の短編はいずれも音楽を奏でる10代の女の子の物語。
音楽で繋がる瞬間、二度とは戻れない10代の頃を想い当時の記憶に浸ってみたりしました。

音の記憶というのは意外にも奥深くに仕舞い込まれていて、いつかふと耳に響いたとき、ふわっとその当時の記憶がよみがるのですよね。
懐かしい甘さと決して良い思い出ばかりでない苦さが混ざり合って包まれて。
実はとても狭い世界の中で、それでも懸命に悩む彼女らの青い輝きが眩しくて愛おしい。
「裸樹」がとてもお気に入りです。
デュエットのシーンが素敵。じんわりしました。

読了日:2010年11月23日
かりさ | 著者別さ行(佐藤多佳子) | comments(0) | trackbacks(0) | 

『一瞬の風になれ 第三部 ドン』佐藤多佳子

4062136813
一瞬の風になれ 第三部 -ドン-
佐藤多佳子/講談社
部長になった新二とエースの連。春高陸上部の仲間たちとのハードな練習の向こうに見据えるのは、この部で、このメンバーで、インターハイに行く、ということ-。陸上青春小説、圧倒的迫力の完結編!

とうとう完結編!
読んだ、読んだ。手に汗して心臓ドキドキさせて、彼らの頑張りにエールを送って読んだ。私も彼らと共にひたすら走った。端から見たら必死こいて読書している姿はさぞ異様な光景だったに違いない。彼らのリレーが始まれば体に力が入って強ばったように読んだり、恋の話しには頬ゆるませてにんまりしていたり、感動して号泣していたり。娘が泣いている私にいそいそとティッシュをもってきて涙をグリグリ拭ってくれたりして。それにまた感動してオイオイ泣く私。ハハハ。

春高陸上部のメンバーそれぞれが個性的で素敵で可愛くて、気がついたら母親の目線で彼らを温かく見守っていた。個々の魅力もいいのだがやはり抜群に魅力的なのはチームワーク。この連帯感の素晴らしさに感動していた。個人競技の場面もドキドキさせてくれるのだけど、それ以上にドキドキさせてくれるのがリレーのシーン。陸上のリレーって学校の運動会みたいなあんなものじゃないのだね。とにかくこのリレー本番で成功するかどうか冷や冷やさせられてしまうほどの臨場感。新二の思いが重なって新二と共に一喜一憂し、思いっきり感情を揺さぶられてしまう。

新二も連も本当に成長したなぁ。体はもちろん心がかなり鍛えられた。兄・健一に常に憧れと劣等感を持っていた気持ちもいつしかそれを乗り越えられたんだろう。グズグズと悩む新二の姿は欠片もない。恋に関してはまだまだグズグズしているけれど(笑)

春高メンバーももちろん素敵だが、ライバル校・鷲谷高校の仙波や高梨もいいキャラである。いい意味でのライバル、お互いの存在が自分の成績を向上させ、闘志を燃やすエネルギーになる。ライバルだけどきっとこれからいい仲間になっていくんだろう。新二のささやかな希望が叶うといい。それは遠からず近いものかもしれない。
ラストはある人の心温まる贈り物に(もう〜これに号泣。素敵すぎる!)これ以上ないくらい結束したリレーチームの絆がさらにさらに強く繋がる。ラストは可能性を信じた彼らの姿に感動しっぱなし。読み終えてもまだ彼らから去りがたく1巻〜3巻をまたなぞるよう読み返してみたりして、しばらく余韻に浸っていた。この作品を読めたことは本当に幸せ。そして著者・佐藤さんへ感謝でいっぱい。

最後に…浦木さんーっ、やっぱりあなたは素敵だ!そして春高陸上部!最高!!

読了日:2007年1月15日

関連記事
『一瞬の風になれ 第一部 イチニツイテ』感想
『一瞬の風になれ 第二部 ヨウイ』感想


いや〜素敵な作品でした。未だ興奮冷めやらずで何を書いているのか支離滅裂ですが…。陸上ものだからと尻込みせずに読んで良かったです。まだこの世界から去りがたくて3冊読み返して彼らの成長をなぞって一人感動したりしておかしなヤツです。
実際に陸上を見たのって箱根駅伝の復路ゴールを見たことがあるくらい。あの時必死にゴール目指して走りきる選手の姿に何やら得体の知れない感動が沸々湧き上がってつい涙してしまったのを覚えています。ああいうみんなで1本のたすきをバトンを繋いでゴールに向かうという姿には感動してしまうものですよね。
高校生の新二や連の成長物語である本作は新二の内面を通して描くことによって等身大の姿がわかりやすく成長の過程も楽しめました。
三輪先生の優しさが特に素晴らしく、子育てもこんな風にやっていけばいいんだろうな、ととても勉強になりました。そして私のお気に入りは浦木さん。完結編でさらにさらに浦木さんに恋しています(笑)ライバルだけど大切な仲間。いいなぁ、本当に素敵。今書くだけでもまた泣けてきちゃいます。
直木賞とれるかな?選考日は今夜(今日は1/16です)。ドキドキしながら結果を待とうと思います。
かりさ | 著者別さ行(佐藤多佳子) | comments(18) | trackbacks(15) | 

『一瞬の風になれ 第二部 ヨウイ』佐藤多佳子

4062136058
一瞬の風になれ 第二部 -ヨウイ-
佐藤多佳子/講談社
少しずつ陸上経験値を上げる新二と連。才能の残酷さ、勝負の厳しさに出会いながらも強烈に感じる、走ることの楽しさ。意味なんかない。でも走ることが、単純に、尊いのだ。今年いちばんの陸上青春小説、第2巻。

1巻よりも2巻のほうが生殺し感たっぷりで、「うわーうわー、これどうなっちゃうの!?」と悲鳴に近い声を心の中で叫ぶ。ざわざわした気持ちを早く払拭させたくてとにかく3巻へ進みたい。そんな展開が予想していたとはいえ訪れてしまうことはやはり胸が痛い。新二頑張れ!ついこちらまで力んでしまう。

着実に成長していく新二や連、春高陸上部の面々。地味な練習を日々積み重ねていく姿に日々の努力って少なからず成果を生むのだということをしみじみ考えさせられてしまった。ひたむきに走った青春の頃って思い返すと恥ずかしくてたまらないけれど、私にもそんな時代はあったわけであの頃の自分の青さとか熱さとかホント眩しいくらいで、でもきっとキラキラ輝いていたんだろう。青春真っ只中の彼らも光り輝いている。原石が磨かれていくさま、その過程を見守っていくうちに愛おしい気持ちが湧き上がってくる。

三輪先生の過去もここで明かされたりしてさらに愛着が湧く。後輩の桃内くんとかキャラがすごく良くて好き。彼は新二の救世主でもあるのだ(笑)
そして女子の谷口さん。彼女がほんわかして可愛くていい。ほのかな恋なんかも生まれてきたりしてますます気分が盛り上がってくる。その谷口さんと青いタータン(競技場の舗装)の話しが深く胸に響く。そうか、表紙イラストを見て納得する。これが青いタータンか。実際どんなんだろうか。深く青いタータンって。見てみたいなぁ。そこをひたむきに走る谷口さんの姿をちょっと想像してみた。

さらなるスピード感と爽快感。ああ完全にはまってしまったなぁ。
さぁ、この後どうなるんだ!?とはやる気持ちを抑えられず3巻へ進む。

読了日:2007年1月15日

関連記事
『一瞬の風になれ 第一部 イチニツイテ』感想
『一瞬の風になれ 第三部 ドン』感想
かりさ | 著者別さ行(佐藤多佳子) | comments(8) | trackbacks(8) | 

『一瞬の風になれ 第一部 イチニツイテ』佐藤多佳子

4062135620
一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ-
佐藤多佳子/講談社
「速くなる」ただそれだけを目指して走る。
白い広い何もない、虚空に向かって…………。
春野台高校陸上部。とくに強豪でもないこの部に入部した2人のスプリンター。ひたすらに走る、そのことが次第に2人を変え、そして、部を変える。「おまえらがマジで競うようになったら、ウチはすげえチームになるよ」思わず胸が熱くなる、とびきりの陸上青春小説、誕生。

毎月1巻ずつ刊行されていた本書。全3巻。刊行されてすぐに絶賛の感想をちらほら目にするようになる。2巻が刊行された頃は一時あちらこちらでこの表紙が踊り、そこに添えられた感想を読むにつれ「こりゃぁ読むしかないでしょう!」と鼻息も荒く書店へ走った。が、近所の書店には1巻、2巻と揃っているところなし。何軒はしごしてもなし。くっそ〜。まぁいいやそれだったら3巻出たとき一気に買えばいいや。とその時はスパッと諦めた。で3巻が出た頃また行った。今度は2巻と3巻がない。何故?3巻はもう売れてしまったのか?仕方なくとりあえず1巻を。この時はもう3巻全部揃ってから読み始めることを決めていたので(どうやら一気読みしないと生殺し状態になるらしい。それはヤダ(笑))2巻と3巻を何としてでも手に入れねば!とあらゆる方法を駆使してやっとこ入手(現在は普通に3巻揃って平積みになってます)。やっと揃ったのに読む機会がなかなかなく今になってようやく紐解き始めた。
本書が直木賞候補になったからというのが大きい。というかたぶんそれが理由かと。

で、読み始めた。読み始めたらもう止まれなかった。彼らと共に走り始めてしまった。ポンポンと弾む文体が心地良い。あれよあれよと引き込まれてしまった。
一家がサッカー好き。父母はマリノスファン、兄はサッカーの天才選手、もちろん弟の新二もサッカーに明け暮れていた。やってもやっても超えられない追いつけない兄の背中。天才だもの、敵わないのだどうやっても。次第にそんな気持ちに責められてサッカーをやめてしまう新二。
新二の幼なじみの連。こっちは陸上の天才。けれど本人はそんなこと全く意に介さず飄々としている。楽しかったはずの陸上もふいにやめてしまったり。
春野台高校陸上部。幼なじみの新二と連が入学した高校、そして入部した部活。サッカーに明け暮れていた新二と一旦陸上をやめた連が何故入部することになったのか、そこからスプリンターを目指す彼らの成長と青春。我が子を見るような気持ちで見守りたくなる。実際同じ年頃の息子を持つ母でもあるので彼らのことは本当に可愛いのだ。悩みながらも前を見つめてひたすら走る。手に取るような彼らの行動、心情が迫ってきてこちらまで喜怒哀楽忙しく読む。まだ1巻なんだよ。それなのにこんなに惹きつけられちゃってこの先一体どんな展開が待っているのだ。こりゃぁもうわくわく胸躍らずにはいられないでしょう。

さて、春高陸上部のメンバー。顧問の三輪先生が実に良い。とても魅力的。部員に対する言葉ひとつひとつが響いてきて、こんな先生に育てられたら素直に伸びるんだろうなと思わせる。そして部員達もそれぞれキャラがすごくいい。特にお気に入りは浦木先輩。占いを信じる浦木先輩のおかしさが可愛らしくてついくすくす。試合当日ひたすら風を気にする浦木先輩の「西の風になった!」と嬉しそうに叫ぶ姿がもう〜素敵。ある時連に対して説教する場面の浦木先輩のその説教方法、これがまたおかしくてプププと笑える。いいな〜素敵だ。

「速くなれよ、新二」
とある場面の新二に向けた根岸の強い口調。いつになく真剣な根岸の力強く優しさのこもった(きっと)言葉に気がついたら目頭を熱くしていた。連に対する焦燥や僻みや劣等感、そんなものがない交ぜになって支配してしまう新二に向けて放たれた言葉。そう、新二速くなるんだ。今の目標は速くなること。やれば出来る、絶対に。自然にそんなエールを送っていた。新二だけにでなく、根岸にも浦木さんにも他の選手達にも。そして連にだって。

運動音痴な、まして短距離なんて最も苦手な私が(瞬発力はないが、持続性はある長距離向き。でもとんでもなく遅い…)こんなにもドキドキさせられているんだから、陸上経験者やスポーツ万能な方にはさぞ楽しめる作品なのだろう。臨場感溢れる文体に体がうずうずして走りたくなってしまうかもしれない。あ、私は走ろうとは思わないが。走るのは嫌い、ダメ、勘弁。でもね、彼らと一緒に風になるのだ。
さぁ〜第二部が待っているぞ!いざ突入ー。
(やっぱりこれ生殺し状態になるのわかるよ。3巻揃っていて良かったと心底思うもの)

読了日:2007年1月13日

関連記事
『一瞬の風になれ 第二部 ヨウイ』感想
『一瞬の風になれ 第三部 ドン』感想
かりさ | 著者別さ行(佐藤多佳子) | comments(16) | trackbacks(10) |