2012.05.10 Thursday
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読書のコトとちょっぴり日々のコトブログ
幼い頃に受けた性的いたずらによるトラウマを抱える那由多、教師との不倫に悩む淑子、那由多にひそかな思いを寄せる翠。カトリック系女子高に通う17歳の3人の少女たちが織りなす心理&青春小説。
東京のはずれに位置する“まほろ市”。この街の駅前でひっそり営まれる便利屋稼業。今日の依頼人は何をもちこんでくるのか。痛快無比。開巷有益。本当に今更なんですけど、やっとやっと読みました。
やがて切ない便利屋物語。
「だれかの内心の動きを推測してみるのは、ひさしぶりのことだった。他人と一緒に生活することの、わずらわしさと面映いようなわずかな喜びを思い出した」という文章が印象的。きっとそれは行天も同じ。
奇跡のような出会いから、清瀬灰二と蔵原走は無謀にも陸上とかけ離れていた者たちと箱根駅伝に挑む。それぞれの「頂上」めざして…。長距離を走る(=生きる)ために必要な真の「強さ」を謳いあげた、超ストレートな青春小説。
「俺たちみんなで、頂点を目指そう」ほとんどが陸上素人な面々を前に清瀬はそう宣言するのだ。素っ頓狂なことを。無茶だろーっ!と思う。誰もが思う。でも彼らは目指すのだ、頂点を。あり得ない設定なのだけど、そう思いながら引き込まれてしまうのは魅力的に描かれている竹青荘の住人の面々。中でも清瀬と王子が大のお気に入り。天真爛漫な双子も可愛い。清瀬の計画に文句を垂れながらも脱落することなく共に歩む。いや、走る。清瀬のきめ細やかな性格と包容力と力強さ。そうならざるを得なかった挫折を経験することでさらに大きな人間になっていったんだろうなぁ、と清瀬を思うと切なくなる。だからこそみんな清瀬に信頼を寄せて一緒に頂点を目指そうと一丸になれたんだろう。
「目指すは箱根駅伝だ」
夢を見ることも、野心もすべてあの夏の日に生まれた。なんと艶やかで官能的な世界でしょうか。古書店という妖かしい舞台だけでも歓喜に震えます。いや、読む前まではこの作品、誤解していました。美男2人が登場する話し、という予備知識があったため勝手にあれやこれや想像していたのです(笑)(美少年と書きたいところですが、20代の彼らはすでに少年ではないですね)ここにある2人はそんな直接的なものではなくもっと奥の深い複雑な基に成り立っている関係なのでした。だからこそ妄想めいた思いを抱きながら膨らませながら読むことになってしまうのですが…。この2人を縛り付ける過去が明らかになるにつれ、ますますそれが結びつきを深くしているのだろうと思う。決して分かつことの出来ない強い繋がり。もうすでにそれは呪縛と化している。夜の無窮堂が美しい。ラストの幻想的な描写にしんみり感動しました。
『無窮堂』は古書業界では名の知れた老舗。その三代目に当たる真志喜と「せどり屋」と呼ばれるやくざ者の父を持つ太一は幼い頃から兄弟のように育つ。ある夏の午後に起きた事件が二人の関係を変えてしまう…。
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