ひなたでゆるり

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『黄色い部屋の謎』ガストン・ルルー

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黄色い部屋の謎
ガストン・ルルー 宮崎 嶺雄/創元推理文庫
内部から完全に密閉された〈黄色い部屋〉の中から令嬢の悲鳴が聞こえ、救援にかけつけた一同がドアをこわして飛び込んだとき、血の海の中には令嬢が倒れていた。犯人の姿はどこにも見あたらない――“密室犯罪”と“意外な犯人”の二大トリックを有する本編は、数少ないフランス本格派を代表する傑作であり、世界ベストテンで上位を占める名作。

古典海外ミステリとしてあまりに有名な本書。数年前に文庫を買ってから幾度となく読もうと紐解きかけたのだが、何故か読み進む意欲を無くす。古典ものはある程度「読むぞー!」という意気込みが出ないとなかなか読み進めないのだ。そして読み始めてみるがこれが遅々として進まない。古典の香りが高ければ高いほどスラスラ〜と読めないのが難点。それでも古城に起きた密室事件の謎を追いかけるうちに、とっつきにくかった文章にも次第に魅了され、大満足で本を閉じたのだった。その満足度は作品の完成度の高さもあるが、読み終えた達成感に満たされていることもあるだろうか。とにかく古典ものはその世界観に慣れるまでが勝負なのだから。

密室の謎自体は実にシンプルであり、特別なものではない。それでも驚かされるのはこの作品が1908年に発表されたことである。今からおよそ100年前に書かれていたということを思うだけでも興奮し、わくわくしてしまうではないか。そして最後のどんでん返し!最後まで明かされなかったある女性の秘密に触れたときの戦慄。これはたまらない。読み終えた後、いろんな想像を読者に与えてくれる終え方に大いに満足した。
この続編を是非読みたいと思ったら、ちゃんと「黒衣夫人の香り」という続編があるそう。これは要チェック。短編集「ガストン・ルルーの恐怖夜話」も気になるところ。

「オペラ座の怪人」も有名だが、こちらとはまた違った雰囲気のある本書もたまらなくいい味を出している。恐ろしくも哀愁漂う描き方がルルーの持ち味なのかな、そんな印象を受けた。

読了日:2006年3月27日


この作品をこれから読まれる方、もしドイルの「まだらの紐」を読まれていなくてネタばれされたくない場合はご注意を。思いっきりネタばれされていますので。普通に種明かしをさらりと書いてあったのでそっちに驚かされました(笑)
かりさ | 海外ミステリ(ガストン・ルルー) | comments(8) | trackbacks(2) |