ひなたでゆるり

読書のコトとちょっぴり日々のコトブログ

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『九十九十九』舞城王太郎

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九十九十九
舞城王太郎/講談社ノベルス
「苦しさを感じるなら、僕なんて愛さなくていいんだ」 聖書や創世記などの見立て連続殺人を主旋律に踊る、世界をゆるがす超絶のメタ探偵の魂の旅。ダンテの「神曲」をイメージさせる圧倒的なスケール感で迫る。

この理解不能なのもまた王太郎節所以か。
九十九十九ということで、JDCシリーズに (と言っても『コズミック』しか読んでいません)不満たっぷりの私としては少々不安。が!読んでみたらそんなん何の心配もいらなかった。要するに清涼院流水の創り上げた九十九十九とは似て異なる九十九十九であり、舞城王太郎製九十九十九でした。で、その混沌たるや相変わらずなんですが、ほとんど振り回されっぱなし。そこが最高。九十九十九の美しさの正体とは、暗く闇の幼少時代の理由とは、これへの解答が優しく切なく書かれていて物悲しい。

女の子の描写がますます磨きがかかって愛くるしい。そして発見なのが子供の描き方もさらにピカピカしていたのです。三つ子の可愛らしいこと!んー、今度は子供がいっぱい出てこないだろうか。何にしても舞城王太郎氏の作品は手軽にオススメ出来ないのに変わりはありません。でも少数派ではなさそうな彼の威勢は嬉しいことです。

読了日:2003年4月24日
かりさ | 著者別ま行(舞城王太郎) | comments(0) | trackbacks(0) | 

『阿修羅ガール』舞城王太郎

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阿修羅ガール
舞城王太郎/新潮社
やべー泣きそうだ。泣きかけだ。半泣きだ。ううう、目が熱い−。恋するアイコがガーリッシュに悩んでる間にも世界は大混乱! 殺人鬼はグルグルだし、子供は街で大爆発。魔界天界巻き込んで繰り広げられる物語。

あぁぁ、このヒト本当にすごいよ。色んな面を持っていて、そのそれぞれ世界観の描き方が秀逸。読んでいくうちにグルグルしちゃって「わーわー」言いながら読んでいたかと思えば、中盤の世界で私好みの暗黒さに酔いしれ (この「森」がすごい。結構怖かった。その意図するものが読んでいる時はまだ見えない分)、そして終盤…アイコすごい、偉い。勇気もらった。そうだ私も色んなことあったし、これからもあるかもしれないけど、今自分が一番と思うことに素直になればいいんだ。そして命かけて守りたい、と思えるくらい愛する人が存在するということをもっとちゃんと真摯に受け止めなきゃいけない。アイコのこれからをまたいつか見てみたい。どんなオンナになっていくのか、なっているのか、って。

相変わらずジェットコースター並みのスピード感。あっちこっち連れて行かれて放り投げられ、それでもめげずについて行った者だけに用意されている美しい言葉のモザイク。誰もが根底に持っている色んな部分を改めて考えさせられることでしょう。アイコと一緒に絶対成長するはず。そして目を見張るのが、王太郎氏の美しい文章。目を閉じてその風景や様子を思い浮かべてしみじみしました。

読了日:2003年2月14日
かりさ | 著者別ま行(舞城王太郎) | comments(0) | trackbacks(0) | 

『熊の場所』舞城王太郎

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熊の場所
舞城王太郎/講談社
僕がまー君の猫殺しに気がついたのは、僕とまー君が二人とも十一の時、一緒に西暁小学校に上がり、同じ教室で勉強し始めて五年目の頃だった−。第15回三島由紀夫賞候補作の表題作ほか、2篇を収録した短篇集。

『熊の場所』読了。長編ほどのスピード感はないけど、オウタロウワールドは健在です。「熊の場所」「バット男」「ピコーン!」それぞれ読み手に伝えたいメッセージがあってそれがちゃんと文の流れで伝わってくる。暖かかったり、切なかったり、ゲラゲラ笑ったり色んな感情を引き出してくれる筆力。

「熊の場所」の言わんとするのは何にでも当てはまるな。「ピコーン!」は女の視点で描かれていてこれがまたエッチで切ない。ちゃんと帰結されているところに「ああそうだったのか」と遅ればせながら気付くくらい無我夢中で読んでいた。いつの間にかミステリィ?になっていたりしておなかいっぱい。

読了日:2002年10月30日
かりさ | 著者別ま行(舞城王太郎) | comments(0) | trackbacks(0) | 

『世界は密室でできている。』舞城王太郎(密室本)

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世界は密室でできている。
舞城王太郎/講談社ノベルス
煙になれなかった「涼ちゃん」が死んで2年。15歳になった「僕」と14歳の名探偵「ルンババ」が行く東京への修学旅行は、僕たちの「世界と密室」をめぐる冒険の始まりだった…。本編が封印された「密室本」。

なんて「愛」に溢れた作品でしょうか。素晴らしい。天才。
ルンババの姉、涼ちゃんの死という惨いシーンからスタート。最初はとっつきにくかった文体も徐々に加速を増して愛おしさに変化。うおぉー初めて体験する世界観だ。すごい、すごく面白い。おまけに訴えかけてくるものがダイレクトに伝わってくる。流れる文章も気持ちよく、元気に飛び回る友紀夫やルンババその仲間たちの一喜一憂にそのまんま自分も感化されて思わず入り込んでしまう。

作中のルンババの名探偵ぶりも見逃せない。暴力シーンやちょっとあっち行っちゃっている狂った世界も本来ならば引いてしまうかもしれないのに何故にこんなに愛しいのか。それはきっと時々垣間見る繊細な部分が大きく全体を包んでいるからなのかも。

イラストは舞城王太郎氏のものによるもの。めちゃくちゃ上手いんです。この人多才です。まだこの一冊しか読んでいないのですが、すでに惚れ込んでいます。スカッとしながらもじんわり。あー、こんなに素敵な作品に出会えて幸せです。ギュッとしているイラストは暖かく優しい。最高です。

読了日:2002年5月24日
かりさ | 著者別ま行(舞城王太郎) | comments(0) | trackbacks(2) |