ひなたでゆるり

読書のコトとちょっぴり日々のコトブログ

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『死時計』J.D.カー

死時計
死時計
-DEATH WATCH-1935 J.D.カー/吉田誠一訳/創元推理文庫
月光が大ロンドンの街を淡く照らしている。数百年の風雨に黒ずんだ赤煉瓦の時計師の家、その屋根の上にうごめく人影。天窓の下の部屋では、完全殺人の計画が無気味に進行している……。死体のそばに、ピストルを手にした男が立っていたが……。奇想天外の凶器! 魚のように冷血な機略縦横の真犯人と対決するのは、おなじみフェル博士。
(Amazon紹介文より)
『死時計』読了。いやはやこれって個人的にはあんまり…でした。使われた凶器も被害者も犯人も意外性があり、その点は面白かったのですが、フェル博士が今回はキレがなかったためにどうも理解力が高まりませんでした。 …とフェル博士のせいにしてはいけないか。しかしながら、作中に出てくる"髑髏時計"とかには興味津々でした。

読了日:2003年5月26日
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『帽子収集狂事件』J.ディクスン・カー

帽子収集狂事件 (創元推理文庫 118-4)
帽子収集狂事件
-THE MAD HATTER MYSTERY-1933
J.ディクスン・カー/田中西二郎訳/創元推理文庫
夜霧たちこめるロンド塔逆賊門の階段で、ひとりの男が屍体となって発見された。ロンドン市内には帽子収集狂が跳梁して帽子盗難の被害届が続出する。帽子の謎につきまとわれた怪事件は、ロンドン塔を舞台にエドガー・アラン・ポオの貴重な未発表原稿へとつながっていく。
まずタイトル。「帽子収集狂」ですよ。一体どんなの?とここから何やら奇妙な雰囲気。言葉通り、ロンドン市内で不思議な帽子泥棒が出没。そこへ奇妙な男の死体が発見される。ゴルフ服の死人の頭には何故かシルクハット。果たして殺人犯は帽子収集狂(マッドハッター)なのか…?そしてさらにはエドガー・アラン・ポオの未発表原稿が盗まれるという事件が絡んでくるのです。

舞台からしてまず雰囲気抜群だし、マッドハッターという奇妙な帽子泥棒は出てくるし、ポオの原稿まで…。殺人事件発生から解決まで途中のだるさはあるものの、そこはフェル博士のお茶目ぶりで切り抜けラストへと…。このラストがすっごくいい。いいのだけど、さて果たして事件はこれで解決しちゃっていいのかどうかは読み手によって感じ方は違うかも。私は結構こういうの好きです。

かもし出す雰囲気、登場人物のそれぞれの魅力、悲哀などが綺麗に混ざり合って好きな作品です。

読了日:2003年5月7日
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『三つの棺』J.ディクスン・カー

三つの棺
三つの棺
-THE THREE COFFINS-1935
J.ディクスン・カー/三田村裕訳/ハヤカワミステリ文庫
雪の降る夜、三日前の予告どおり教授へ謎の訪問者。やがて教授の部屋から銃声。そこには胸を撃ち抜かれた瀕死の教授が。部屋に謎の訪問者の姿はなく、おまけに密室状態。外の雪にも足跡はなく、逃げた形跡すらない。犯人は一体どうやって脱出したのか。作品の中の「密室講義」必読。
冒頭からへぇ、と思ったのはこれが今回の被害者グリモー教授の秘書ミルズの回想、再録ということ。しかし、一番最初にこう書かれているではないか。「この事件においては、無用の混乱を避けるため、読者にはだれの証言が完全に信用できるか、を最初にお知らせしておかねばならない。」そしてその後に誰が嘘もついておらず、何も省かずつけ加えず、見たままのすべての事実を正確に話しているか、がちゃんと書かれているのだ。それを念頭に置いていたはずなのに、いつの間にか混乱してしまい全く忘れてしまったのは悔しい。そういうわけで今回も全く見抜けませんでした。少なくてもフェル博士が気がついたという箇所は、私には全然眼中になかったし(というか、そういう習慣がないから)。

グリモーが抱える過去の記述はなかなか凄いものがありました。こういうオカルティズムはやはりカーならではなんでしょう。それに反してお笑い的な要素もあるのもさらに面白さを増しています。今回もフェル博士が愛嬌いっぱいで笑えました。

そして作中に含まれる「密室講義」。もちろんこの講義の中に、今回の事件に当てはまる説明もあるわけです。これが有名な「密室講義」か、と思いながらもすでに混乱状態にあって早く犯人を知りたいと急いている時にじっくり堪能は出来ませんでした。読了して改めて読んだ次第。さて、犯人は?複雑に絡んだ事件の結末、最高です。

読了日:2002年1月20日
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『緑のカプセルの謎』J.ディクスン・カー

緑のカプセルの謎
緑のカプセルの謎
-THE PROBLEM OF THE GREEN CAPSULE-1939
J.ディクスン・カー/宇野利泰訳/創元推理文庫
二重三重の罠に隠された毒殺事件の真相を、あなたは見破ることができるだろうか?心理学的手法による純粋推理小説
いや〜、すごいや。また騙されちゃった。こうかな?いや、こうだろう?とあれこれ考えを巡らすたびにはぐらかされ、また元に戻される。で、結局騙された。でも悔しい騙され方ではないのです。上手くまとめられちゃって、はぁ、そうなんですか、と納得させられちゃう。これはきっと結びが上手いせいなんだろうと思うのです。最後の締めくくりがものすごく好き。綺麗。

これ、心理学的推理小説となっていますが、こんなにも薀蓄(というのか?)が面白いのは珍しい。下手するとこういう解説(ここでは毒殺講義)は、うんざりしてしまうことが大半なのですが、全くその心配は無用。毒殺者の心理的解釈はもっと聞かせて欲しいくらい知識として得たいと、感じさせてくれるほど。

さて、カー作品でシリーズ化している登場人物、ギディオン・フェル博士。初の出会いです。しかし、こんな人物だったとは。自分の中で膨らませていた想像とは全く違っていました。豪快で陽気。好印象です。そうだなぁ、贅沢を言えば個人的にはもう少しドロドロしたものが欲しかったような。でもこれはこれでいいのかも。

読了日:2001年11月6日
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『皇帝のかぎ煙草入れ』J.ディクスン・カー

皇帝のかぎ煙草入れ (創元推理文庫 118-11)
皇帝のかぎ煙草入れ
-THE EMPEROR'S SNUFF-BOX-1942
J.ディクスン・カー/井上一夫訳/創元推理文庫
向かいの家で、婚約者の父親が殺害されるのを寝室の窓から目撃してしまった女性。だがその時彼女の寝室には前夫が忍び込んでいた…。
私にとって初のカー作品。読み始めたらもうハラハラしどうし、この先どうなる?イヴ・ニールの運命は?絶体絶命の状況に立たされてしまったイヴを助け、この不可解な謎を解こうとするのは、イギリス一と言われる精神病医のダーモット・キンロス博士。いかに解くか、読み応えありです。そして男と女恋愛につきものの、ヤキモキさせる要素もたっぷり。思いっきり作品に入り込んで、登場人物のいちいちの行動に反応していました。しかし、そういうことだったとは…。全く予想していなかっただけに見事に騙されてかえってスッキリ。爽やかな(?)読後感。

読了日:2001年10月27日
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