ひなたでゆるり

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光原百合作品BEST3!

トラキチさんの「My Best Books!」…いよいよ光原百合さん作品のベスト3です。
光原さん作品は3作品しか読んでいませんが、それでも投票しちゃいましょー。
さてベスト3は以下の通り。

1位『時計を忘れて森へいこう』
4488012205時計を忘れて森へいこう
光原 百合
東京創元社
1998-04

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2位『最後の願い』
4334924522最後の願い
光原 百合
光文社
2005-02-23

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3位『十八の夏』
4575234478十八の夏
光原 百合
双葉社
2002-08

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1位の『時計を忘れて森へいこう』はきっとこれからも不動です。大好きな作品。5年前に初めて出会ってからずっと大切にしています。未だ文庫本にならないのですが文庫化してもっともっと沢山の方に読んでもらいたと切に願っています。
2位の『最後の願い』は本当に良かった。一人でいるほうが好きだけど、仲間のいる有難さを思い出させてくれた作品。
3位の『十八の夏』はひっそりと隠れているミステリーさがまたさり気なくて好き。
これを機に他作品も読んで、もっともっと光原さんの世界に触れてみたいです。
かりさ | 著者別ま行(光原百合) | comments(2) | trackbacks(1) | 

『最後の願い』光原百合

4334924522最後の願い
光原 百合
光文社
2005-02-23

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新しく劇団を作ろうとしている度会恭平。納得するメンバーを集めるため、日々人材を探し回る。その過程で出遭う謎。日常に潜む謎の奥にある人間ドラマを、優しい眼で描く青春ミステリー。
光原さんの作品はいつも小さな棘が刺さったかのようなチクンとした痛みを感じる。それは登場人物それぞれが抱える小さなわだかまり。それが読み終えた後、その痛みをじんわり癒してくれるかのような優しさに包まれている自分に気がつく。同時に彼らもその痛みから少しでも開放されたのかな、とホッと安堵する。
『時計を忘れて森へいこう』が私にとって一番大好きな大切な作品であり、この作品を超える物語には出会わなかった。それを難なく覆してしまいそうな本書『最後の願い』。

7編の連作短編集です。でもこれは連作短編集ではなく長編なのだな、と気がつくある章では号泣する寸前までにハラハラと涙を流しながら読んでいました。そして最後の章。たぶんですね、ここでしらける人もいるかもしれません。実際そういう感想を書かれている人もいるようです(ものすごく辛口に評価しているあたり、この手のものは嫌いなんだな、と思う)。でも舞台を見守るという表現ではこれこそ最後に相応しく、印象的な効果なのではないだろうか。タイトルの『最後の願い』の意味が読み終えてこんなにも深く沁み入るなんて。それは登場する人々それぞれの願いであり、読者の願いでもある。

さて、あとがきに書かれていた劇団LEDの直塚さん。実は友達が大ファンで良くその直塚さんの話を聞かせてもらっていました。とても素敵な人なんですよー。中性的な優しく美しい顔立ち、そう度会さんみたいな…。もしかして直塚さんが度会さんのモデルかな?なんて思ったほどでした。というか勝手に度会さんを直塚さんに当てて読んでいました。もし違っていたら申し訳ない(笑)。私は直接LEDの劇を見たことはないのですが、西澤保彦さんの作品を舞台化することが多く、西澤さんの作品って良くビールが出てくるじゃないですか、本当に舞台上で役者さんがビール飲みながら演じるんだそうです。そんな話しを聞かせてくれたことをふと思い出していました。

劇団φのこれからの活躍を願って、そして彼らにまたいつか会えることを楽しみに待っています。

読了日:2005年7月17日
かりさ | 著者別ま行(光原百合) | comments(10) | trackbacks(6) | 

『十八の夏』光原百合

4575234478十八の夏
光原 百合
双葉社
2002-08

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ある日の川べりでの出会いから信也と紅美子の不思議な交流が始まる…。第55回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞した表題作ほか全4作のミステリー。寡作家の著者が満を持して送り出す癒しの物語。
『十八の夏』読了。一つ一つの作品はそれぞれに何かを架している人物が登場して重たくはあるんだけど、読了後は清々しさを感じました。最も動かされたのは「ささやかな奇跡」。幸せな疎外感…実感しているところであります。全体的に静かさが漂っているものの、それぞれの作品にひっそり隠されているものにハッとさせられた時の感覚はやはりミステリィなんだな、ということを思い出させてくれます。

光原さんの視線の優しさは、『時計を忘れて森へいこう』からその性質は多少変化はあるものの、土台にあるものは変わっていないことに安堵感を覚えながら静かに本を閉じました。

読了日:2002年9月25日
かりさ | 著者別ま行(光原百合) | comments(0) | trackbacks(2) | 

『時計を忘れて森へいこう』光原百合

4488012205時計を忘れて森へいこう
光原 百合
東京創元社
1998-04

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時計を捜して森をさまよう若杉の前に現れた、穏やかで柔らかい声の主。瞳に温かい光を宿すそのひとは、手触りの粗い「事実」という糸から、美しい「真実」を織りあげる名人だった―。心やさしいミステリ連作集。「だれもみなきらめく星空の下でくらしてる」
なんて優しい文体でしょうか。それを織りなす土台がまた爽やか。
「愛」の物語だと思います。愛、と言っても一言では表せないくらい様々な形があります。 そのどれもが切なく、愛しく、壊れそうなくらい儚げです。けれども優しさだけでない、地にしっかり足をつけて生きていかねばならない現実も教えてくれます。

この作品は三つの物語で構成されています。そのどれもが痛々しいくらいの傷を負った、生きていくことに自信を無くしかけた深い悲しみが彩っています。その悲しみの「謎」を小さな小さな手がかりの欠片を集めて織り上げ、 絶壁の淵から少しでもこちら側に引っ張ってくれる名探偵。その探偵さんを温かく見守る小さな助手さん。 中でも第二話はあまりにも切なく、その謎が解き明かされた時、ボロボロと涙が溢れ出てしまいました。

心がギシギシ音を立ててささくれ立っているのを感じたら、是非手にとって読んでみて下さい。誰かに包まれたい、包みたい、そんな感情が生まれるかと思います。つまり自分以外のものに目を向けてあげられる余裕が出来るのだと思います。でもあまりにも自然に密着したお話なので、そういうのが苦手な人にはちょっときついかなという感も無きにしも非ず。

読了日:2000年10月4日
かりさ | 著者別ま行(光原百合) | comments(4) | trackbacks(5) |