ひなたでゆるり

読書のコトとちょっぴり日々のコトブログ

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『あいたい気持ち』狗飼恭子/幻冬舎文庫

あいたい気持ち
狗飼 恭子

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十九歳の誕生日を目前にして、琴子は「ここじゃない、どこか」に思いを募らせる。自分の世界に閉じこもった彼女がそこから飛び出すきっかけは、一人の少年だった。少年の叔父への琴子の切ない片想い、彼がその面影を追う謎の少女。新しい出会いが彼女を過去から解き放っていく―。ピュアなまなざしで「ここ」を見つめた、書き下ろし小説。
4つの罪を架す、19歳の誕生日を目前にした琴子。自分の世界に閉じこもりそこから飛び出す術を持たない。大人になるって?否応なしにその大人の、しかも身近な母という存在に嫌悪する琴子。そんな彼女を外界へと導いたきっかけは一人の少年だった。少年の叔父、その叔父の痛くも美しい想い出、その叔父へのほのかな想い。
10代後半という年齢は誰しもこの先の自分の姿への不安感、自分を取り巻く大人達への不信感を持ち、そして自分の居場所を探し続けている。大人になりきれない純粋さが邪魔に感じることもある。琴子の痛いまでの意固地な姿が悲しくなります。昔の自分を投影しているようで、少し胸が締め付けられる感覚でした。そして今の大人になった自分へ提示されたものを感じ取ってしまって、結構考えさせられた作品でした。

読了:2000年1月
かりさ | 著者別あ行(狗飼恭子) | comments(0) | trackbacks(0) | 

『彼の温度』狗飼恭子/幻冬舎文庫

彼の温度
狗飼 恭子

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突然手を握りしめられ、彼の手の温かさを知った瞬間、十七歳の苑子は姉・薪子の恋人を好きになってしまった。クリスマスも間近に迫ったある日、二人は薪子を残し駆け落ちしてしまう―。「永遠の恋がきっとあるはず」同じ人に恋してしまった姉妹の切ない三日間。透き通った冬景色に織りなす、真っ白な雪のようにピュアな恋物語。
姉・薪子の恋人を好きになってしまった17歳の苑子。その恋人・ゆずるくんも妹の苑子を好きになってしまう。クリスマス間近のある日、苑子とゆずるの逃避行が始まった。姉・薪子を残して。甘さと苦み。優しさと痛み。暖かさと身をきる寒さ。対照的な言葉が散りばめられ、全体に痛い物語に感じました。この著者は静かなる文体で淡々と話が進んでゆきますが、実は残酷さも秘めています。いつも恵まれている姉。それを疎ましく思う妹。最終的に可哀想なのは…。綺麗事だけでない文体も魅力的なのかもしれません。恋愛小説はそれこそ学生の頃以来なので、どうかと思いましたが、文体が好きで結構スルスルと読めました。もちろん甘くてちょっと照れる箇所もありますケド。その甘さに微睡んでいられるほどもう純粋でなくなった自分がすこし悲しくもあります。著者のあとがきはとっても好きです。

読了:1999年9月
かりさ | 著者別あ行(狗飼恭子) | comments(0) | trackbacks(0) | 

『雪を待つ八月』狗飼恭子

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雪を待つ八月
狗飼恭子/幻冬舎文庫
「他に好きな人ができた」という年下の恋人・雪道の告白で、二年にわたる同棲生活が終わろうとしている。彼が出ていく日まであと一カ月。恋のはかなさを嘆き、彼が好きになった人を想像する優美は、八月の空に雪が降るような奇跡が起こることを祈る―。世界中で一番近くて遠い二人の切ないけれど暖かい恋物語。文庫書き下ろし。
二年間の同棲生活を共にした年下の恋人・雪道が突然放った言葉。「他に好きな人ができた」彼がこの部屋から出ていく日まであと1ヶ月。切なさとやるせなさで狂おしい日々を送る優美。淡々とした始まりと終わり。静かに平静にページを繰っていました。が、著者のあとがきを読んだ途端、たががゆるんだように涙が溢れました。実はこの内容、結構締め付けられるような感覚で読んでいたのです。実感しないまま読み終えて、で、作者の何気ない言葉から気がついた。あぁ、昔の自分みたいだ。ちょっと初恋の人を想い出してしまいました。久しぶりに自分を見つめられる本と出逢いました。恋愛小説です。でも心に沁みわたる優しい文体です。是非。

読了:1999年9月
かりさ | 著者別あ行(狗飼恭子) | comments(2) | trackbacks(2) |