ひなたでゆるり

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『天啓の殺意』中町信

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天啓の殺意
中町信/創元推理文庫
柳生照彦から持ち込まれた犯人当てリレー小説――柳生の問題編に対し、タレント作家の尾道由起子に解決編を書いてもらい、その後に自分の解決編を載せる――要するに作家同士の知恵比べをしよう、という企画は順調に進行するかに見えたが……。問題編を渡したまま、柳生は逗留先から姿を消し、しかもその小説は半年前の実在事件を赤裸々に綴ったものだった。『散歩する死者』の全面改稿
うわぁぁぁ、やられたっ。すっかり騙されたぁー。途中「あれ?」とかすかな違和感を感じつつも見事な筆力でぐいぐい読ませてくれるスピードに乗っかっていたら…大いに驚かされました。そうきたか!という感じ。うーんお見事です。

本書『天啓の殺意』は23年前の昭和57年に「散歩する死者」として刊行。6作目にあたる作品です。先に読了した『模倣の殺意』感想にも書きましたが時代を感じさせないのですよ。細かい部分は改稿したのかもしれませんが、今読んでも新鮮味があるのです。そして一番好きなのはやはり読みやすさ。途中だれることなく、スピード感そのままにサラリと読める。シンプルでいてしっかり楽しめる。褒めすぎでしょうか?(笑)

作家が出てくること、自殺という単語云々…『模倣の殺意』に雰囲気は似ているので始めはその思いを引きずって読んでいたのですが、いつの間にか忘れ去って『天啓の殺意』の面白さに惹きつけられていました。後半ガラッと場面が切り替わるのですが、ここから一気にジェットコースターばりの急展開。もうたまりません。
解説で知ったのですが、重要な伏線があったとのこと、確認したら「あっ!」と驚かされました。ふむー見落としていた…。もっともっと読み込まなくてはなりませんね。ますます中町氏の面白さにはまっております。他作品の復刊を望みます!

読了日:2005年6月26日
かりさ | 著者別な行(中町信) | comments(0) | trackbacks(0) | 

『模倣の殺意』中町信

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模倣の殺意
中町信/創元推理文庫
七月七日午後七時に服毒死を遂げた新進作家。密室、アリバイ、盗作……様々な要素を絡め、著者が自信を持って仕掛ける超絶のトリック。
いや〜面白かったです。久しぶりに最高!と思わせてくれる本格ミステリに出会いました。
本書は今から34年前、昭和46年に書かれたもので、翌々年昭和48年に双葉社から『新人賞殺人事件』として刊行。その後数回タイトルを変えています。
(先日「気になる作家:中町信」にも書きましたが、ここでももう一度)

「そして死が訪れる」(1971年第17回江戸川乱歩賞候補作に)
「模倣の殺意」に改題(1972年雑誌に掲載)
「新人賞殺人事件」(1973年双葉社)
「新人文学賞殺人事件」(1987年徳間文庫)
「模倣の殺意」(2004年創元推理文庫)

昨年、2回目に改題した「模倣の殺意」にタイトルを戻し東京創元社から再び刊行。そのおかげでこうして読めたことは何と幸福なことでしょうか。

34年前と書かれた年代を見ても時代背景が古いのではないか、という心配はご無用。今でも充分楽しめます。最近ガチガチの推理物に飢えていたせいもあってもう読んでいる最中もわくわく胸躍らせてました。こんなに純粋にミステリを楽しんだのは正直久しぶりのこと。ミステリの原点に帰った、と言っても過言でないくらい楽しみました。
今だからこそこのシンプルさが逆に新鮮で面白い。ただこれ、ミステリ好きな人はたぶん途中で感づいてしまうかも。私ももしかして…と中盤あたりから気づいて読んだので読後はやっぱり…だったのです(いくつかの書評を読んで薄々感づいていたせいもありますが)。それをしても感想は最高!なのですからいかに本書が面白かったか。これはミステリをあまり読んだことがない人にこそ、オススメしたい!そしてミステリ好きな方、ミステリを渇望している方にも是非手にとって頂き読者への挑戦を受けてみて下さい。

解説にとても詳しく著者なり、本書なりが書かれていますが(注:絶対解説を先に読まないで下さい。解説にも注意書きされていますが、ネタばれされていますので)、とても興味深いです。中町作品はこの後も多く刊行されていて中でもキャラクターもののシリーズもあるようです。是非是非復刊を希望したい。シンプルながらも味わいある中町氏の作品にどうやらはまってしまったようです。続けて『天啓の殺意』(「散歩する死者」改題)を読みますー。

読了日:2005年6月24日
かりさ | 著者別な行(中町信) | comments(4) | trackbacks(1) |