ひなたでゆるり

読書のコトとちょっぴり日々のコトブログ

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

スポンサードリンク | - | - | - | 

『デカルコマニア』長野まゆみ

デカルコマニア
デカルコマニア
長野まゆみ/新潮社
21世紀の少年が図書室で見つけた革装の古書には、亀甲文字で23世紀の奇妙な物語が綴られていた。200年後のあなたに届けたい、時空を超えた不可思議な一族の物語。

21世紀に存在する少年が図書室で見つけた革装の古書「デカルコマニア」。
そこには23世紀の少年によって書かれた(と言う)、時空を超えた不思議な一族の物語が綴られていた。
「デカルコ」とは?そこに書かれた時空世界とは?複雑に絡み合う時代や人物達に戸惑いながらも長野さんの独特に彩られた世界に魅せられました。

なぜ21世紀の時代に200年後に作られた本(しかも古書として)が存在するのか。
その謎を解くための時空を超えた旅に読み手も誘われます。
ファンタスティックで、どこか幻想的でもあって、不思議な時間旅行を堪能しました。

読了日:2011年6月22日
かりさ | 著者別な行(長野まゆみ) | comments(0) | trackbacks(0) | 

『箪笥のなか』長野まゆみ

406213053X
箪笥のなか
長野まゆみ/講談社
親戚の家から引きとってきた古い紅い箪笥。この箪笥、なんだか不思議な箪笥だ。抽斗を開けると…。

長野さんの丁寧に書かれた日本語がことさら美しい作品。
11編の連作短編集。

主人公であるわたしが親戚宅から譲り受けた古い樺色の箪笥。この箪笥が呼び込む不思議な現象やイキモノたち…妖しげな雰囲気がたまらない。
長野さんの作品には珍しく女性が主人公であり、少年が一切出てこない。出てくるとしても主人公であるわたしの弟の幼少の頃。それは今までの長野作品とは一風違った作風でありこれぞまさに新境地なのだろう。元々長野さんの紡ぐ言葉は実に美しく日本語の良さをいつも実感させてくれる。その言葉の美しさがこの作品では妖艶さを生み出している。

理系である弟が魅力的。その妻も同じく理系であるのだけど、この夫婦のやり取りがとても新鮮。息子であるハトの愛らしい成長ぶりも楽しませてくれる。何故「ハト」なのか?それは読んでのお楽しみ。なるほど〜と思わず感心させられるくだりだ。

一編、一編の終結にはっとさせられる。下手なミステリーよりも余程楽しませてくれる。中でも「梔子」はなかなかスリリングである。
この古い不思議な箪笥の留め金具や抽斗の四隅の飾り金具はそれぞれ蝶のかたちをしているのに、小抽斗の一方は留め金具のかたちが蝙蝠になっている。蝙蝠のほうの抽斗は何故か不思議なものを呼び寄せる。さて何故蝙蝠なのか。謎は深まるばかり。
この続きを是非にと願う。もっともっとこの美しい文体に触れていたい。図書館本だが、これはもう自分のものにしてしまいたい衝動を抑えきれない。

この本は私の心を絡め取り、そうして離れたがらない。

読了日:2006年2月11日


長野さんもので私の宝物。"御菓子鉱石"と名付けられた3つの鉱石。
今は無きFC(現在はwebに移行)「三月うさぎのお茶会」にて購入したもの。

上から「雪綿…オーケン石」、「桜玉…ピンク霰石」、「翠色ジュレ…方解石」3種の鉱石。ピンク霰石の淡い色が綺麗で手にとって光にかざしてみたりします。オーケン石はまさしく雪綿という感じ。石の周りにふわふわと綿毛のような球状体がびっしりついています。方解石は美味しそうな翠色。

そして…

「青い鳥少年文庫」シリーズ。長野さんコレクションの写真達が美しい。1冊はサイン入り。消しゴムスタンプももちろん押されています。


装丁の美しい天球儀文庫シリーズ4冊。

そして…「三月うさぎのお茶会」会報、数々のハードカバーと文庫たち。
絶対手放せないものたち。
かりさ | 著者別な行(長野まゆみ) | comments(6) | trackbacks(1) | 

『鳩の栖』長野まゆみ

4087471241
鳩の栖
長野まゆみ/集英社文庫
水琴窟という、庭先に水をまくと珠をころがすような安らかな音が鳴る仕掛け。操がそれを初めて知ったのは至剛の家の庭だった。孤独な転校生だった操を気遣ってくれた爽やかな少年至剛。しかし、快活そうに見えた彼には、避けがたい死が迫っていた。病床の至剛の求めるまま、操は庭の水琴窟を鳴らすのだが…。少年たちの孤独と淡い愛情、儚い命の凛々しさを描く表題作など珠玉の短編五編。

『鳩の栖』読了。友達に借りた本です。多感な中学生達が主人公の短編集とその続編。身近にいるので良くわかるのですが、少年というのは思う以上に繊細で硝子細工のように壊れやすい。そういう描写が見事に描かれています。いつもの長野作品とは違うな、と感じたのは母親の存在色が強いこと。そういう意味でも物悲しさ漂っています。そして命の儚さもしみじみ感じた作品でした。(日記より抜粋)

読了日:2003年3月2日
かりさ | 著者別な行(長野まゆみ) | comments(2) | trackbacks(1) |