ひなたでゆるり

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『魍魎の匣』京極夏彦

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魍魎の匣
京極夏彦/講談社ノベルス
匣の中には綺麗な娘がぴったり入ってゐた。箱を祀る奇妙な霊能者。箱詰めにされた少女達の四肢。そして巨大な箱型の建物―箱を巡る虚妄が美少女転落事件とバラバラ殺人を結ぶ。探偵・榎木津、文士・関口、刑事・木場らがみな事件に関わり京極堂の元へ。果たして憑物は落とせるのか!?

『魍魎の匣』読了。
いや〜つくづく京極氏の作品は凄い。これでもか、これでもか、と気持ちを揺さぶります。それがまた心地良い。
『魍魎の匣』は前作 『姑獲鳥の夏』をさらに越えた凄まじい内容でした。
人間の闇は時代設定と相まって絶妙だし、人物それぞれ活きていて感情移入しやすい (榎木津の面白さといったら!)。今回は悲哀が色濃くて痛みを感じるばかりでした。特に雨宮のくだりはグッときてその部分はしばらく何度も何度も文章を追っていました。
中々に面白くてここ数日は寝不足の日々だったのですが、作中作の内容が怖くて怖くて、深夜暗い中寝ることが出来なくなり、テレビつけっぱなしで寝たりしていたほどです…。ホラーとかの恐怖ではなく、言葉では表せない恐怖。
タイトルにもある「匣」、いろんな形はあれど箱だらけ。箱から連想するみっしり、ぎっしり… しばらくこの恐怖が付きまといそうです。

読了日:2003年10月7日
かりさ | 著者別か行(京極夏彦) | comments(2) | trackbacks(1) | 

『姑獲鳥の夏』京極夏彦 【再読】

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姑獲鳥の夏
京極夏彦/講談社
京極夏彦の職人仕事。読みやすい書体。美しい版面。京極世界の原点。
産の上にて身まかりたりし女、其の執心、此のものとなれり…。日本的な家系の悲劇を浮かびあがらせるミステリ。

『姑獲鳥の夏』読了。
この作品がデビュー作とは…やはり京極氏の筆力は圧倒的です。時代設定も妖怪を扱う点でもいい感じに湿気を帯びていてさらに陰気で雰囲気抜群。相変わらず関口巽に対して苛ついたり、むかついたりしましたけど、ある程度年を重ねて再読してみるとその度合いもかなり薄れていることに気がつきました。奥様、良く出来た方です。なかなかこうはいきません。私もこれくらい度量のある女になりたいものです (…全然違う視点で読んでます)。

ちょうど今号のダ・ヴィンチが京極夏彦特集ということもあって興味深く特集を読みましたけど、一番の関心事は書体のこと。なるほどなぁ、と。『姑獲鳥の夏』ハードカバーを読み始めたとき、やけにスッと物語に入りやすかったのは(読みやすかった)再読だけのせいじゃなかったのかも、と。書体の大きさが適度に目に優しい気がしたのです。ただのこじつけかもしれませんがね。書き手以前に創り手側にいらした氏ならではこだわりと感じました。

読了日:2003年8月22日
かりさ | 著者別か行(京極夏彦) | comments(0) | trackbacks(0) |