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『白夜行』東野圭吾

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白夜行
東野圭吾/集英社文庫
19年前の大阪の質屋殺し。迷宮入りしたこの事件に関係した少年と少女が歩んだ道は…。絶望の白い光の中、魂の荒野を行く男と女を、叙事詩的スケールで描く傑作ミステリー長篇。

本を閉じてついたため息が思いのほか深く長いことに驚く。そしてまた無意識にため息をつく。さっきから何度繰り返したことだろう。薄ぼんやりとした暗がりの中をずっと歩いているような感覚を味わいながら読んでいた。真相が分かってもなお釈然とせずむしろ広がった霧はさらに濃くなっていく。虚無感に襲われ抜け殻のようになってしまっている。

亮司と雪穂を思うと切なく悲しい思いがいっぱいに広がるばかり。こんな読後感を味わったことあっただろうか。それは彼らの胸の内が一切語られないことにある。彼らがどんな思いをしながらその人生を歩んできたか読み手には想像するしかない。彼らの目に映るものを理解出来ても、彼らの思考は全く伝わってこない。事件の真相が明かされてもそれが彼らによって語られない限り、真実とは決して言えない。根底に漂う澱はずっと沈んだままなのだ。
この作品に対してはずっと霞がかったまんまで晴れることはないのだろうけど、こういう描き方もあるのかと開眼させられた意味でも素晴らしい作品に出会えて感謝している。ずっと手元に置き、折にふれ再読したいと思わせる作品である。

白夜行…ただただ虚しい。これに尽きる。

読了日:2006年1月16日

先週からドラマが始まりました。その触りを宣伝で見てしまったのですが、原作を読んで始めて「あーここから始まるのか…」と意外な感想を持ちました。読んでいる最中は一体どんな風に映像化されるのか、非常に楽しみだったのですが(現時点で先週分は録画していますし)いざ読み終えてみると何となくこのままそっとしておいて欲しいような、それでも映像を見てみたいような複雑な思いがしています。自分の中で完成されたものが崩される恐怖感が沸々と湧いているのです。でも…見てしまうんだろうなぁ。
かりさ | 著者別は行(東野圭吾) | comments(14) | trackbacks(21) | 

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COMMENTS

Posted by Yuko  at 2006/01/16 6:17 PM
あ、リサさん有言実行で読み終えたんですね!
なかなか進まず、私はまだ第8章です(´Д`;)
早く読み終えたいな。
Posted by モーラ  at 2006/01/16 7:20 PM
失礼します、TBさせていただきました。
この作品に関しては本当にバラエティに富んだ感想が見れるので、とても興味深いです。
Posted by リサ  at 2006/01/16 8:23 PM
★Yukoさんへ
こんばんは♪
はい!読み終えました〜。
実はもう中盤からやめられなくて大変だったのです(笑)
ほとんど一気読みでした。
Yukoさんの感想楽しみにしていますね(*^-^*)
今は『幻夜』に入っていますー。
Posted by リサ  at 2006/01/16 8:29 PM
★モーラさんへ
こんばんは!
コメントとTBありがとうございます♪
今いろいろと感想を読ませてもらっていますが、
本当にこの作品への思いが十人十色で興味深いです。
私ももっともっと書きたかったのですが、
思いが交錯し過ぎて書ききれませんでした。
もう少し時間が経てば考えもまとまるかな、なんて思っています。
Posted by あっこ  at 2006/01/16 9:58 PM
白夜行を読んだときの気持ちがよく伝わってくる感想ですね。私が読み終わったときも、しばらく何もしたくなく、ぼーっとしていました。

ドラマの方も見てますが、あっちは恋愛ドラマとして作り込んでいくようですね。原作のままを映像化するのは無理があるし視聴率も見込めないので、より一般向きにアレンジするしかないでしょう(^^;。
私も初回を見て気に入らないところがたっぷりとあったけど、番組サイトで著者本人も「評価は最後まで見てから…」と書かれてるので、私も頑張って最後まで見てみたいと思ってます。
Posted by ゆうき  at 2006/01/16 11:14 PM
こんにちは。コメントありがとうございました。リサさんの感想を読むと、自分がはじめてこの本を読んだときの事を思い出します。わたしも、そんな感じでした。あの余韻というか、読後感というか・・・たまりませんでした。放心しました。

ドラマ、見てしまっています。
原作とはまったく別のものとして、上質のドラマです。
でもやっぱり、私は、原作「白夜行」のファンです。では。
Posted by ゆこりん  at 2006/01/17 8:13 AM
おはようございます。
ドラマは見ないつもりで1回目もスルーしたのですが、
なんと再放送をやっていて、そのときに見てしまいました(^^;
ああいう入り方なんですね!びっくりしました。本のよさが
出ないのでは?雪穂という人物像も原作とはちょっと違う
ような気がします。あまり原作と比較しないほうがいいですね。
別物としてドラマをとらえるとそれなりに楽しめそうな気がします。
本のほうは私もむなしさを感じました。救われない・・・。
Posted by リサ  at 2006/01/17 3:08 PM
★あっこさんへ
こんにちは♪コメントありがとうございます!
本当に虚しさに支配されてしばらくぼぅっとしていたい
気持ちでした。今も引きずっています(^-^;)
ドラマ先ほど見ましたが、予想以上に良く仕上がっていて
安心しました。今後どう描いていくのか楽しみです。
また来てくださいね〜(*^-^*)
Posted by リサ  at 2006/01/17 3:13 PM
★ゆうきさんへ
こんにちは!コメント嬉しいです。
やはり放心状態になりますよね。昨日はずっと考え込んで
しまって何も手付かずでした。
実は未だに引きずっているんですけど…。
その気持ちのまま録画していたドラマ見ました。
もう〜泣きました。ドラマはドラマとしてとても良く
仕上がっていますね。安心しました。
まさに「上質のドラマ」。納得です。
Posted by リサ  at 2006/01/17 3:19 PM
★ゆこりんさんへ
こんにちは(*^-^*)コメントありがとうございます。
ええ!?もう再放送やっていたんですか!ビックリです。
冒頭は私も驚きました。ここから始めるのかーと。
でも見ているうちにゆこりんさんのおっしゃるように、
別物として見ていました。そうして見るとこれはこれで
楽しめますよね。今後が興味深いです。
原作に感じた感情は当分消えないのかな、と思います。
それだけ圧倒的でした。
Posted by トラキチ  at 2006/01/17 9:23 PM
リサさん、こんばんは♪
新直木賞作家ですね(*^_^*)
アンケート投票ありがとうございました。
『白夜行』は連続ドラマという視聴者の性質上、どうしても恋愛をメインとした方がいいのでしょうね。

個人的には原作の良い所を踏まえて、巧く創られていると思います。

ただ、ドラマを見てから原作を読むと少し興ざめなような気もします。

でもこれからのドラマの展開も気になるところではありますね(*^_^*)

ぼちぼち復帰しますのでよろしくお願いします。
Posted by リサ  at 2006/01/17 11:28 PM
★トラキチさんへ
トラキチさん、こんばんは♪
コメントありがとうございます!
はい(*^-^*)新直木賞作家さんですね〜。めでたいです。

ドラマ、心配していましたがとても良く描かれていると思いました。
ドラマ版もなかなか好きです。
でも…そうなんですよね、ドラマを見てから原作という順番は
ちょっとオススメできませんね。
そういう意味ではドラマの前に原作を読めて良かったと思っています。

トラキチさんの復帰、お待ちしていますよー(*^-^*)
Posted by 苗坊  at 2006/07/08 9:12 PM
こんばんわ^^TBさせていただきました。
結局、ドラマは見たんですか?
私は何故か最終回だけ見ました^^;
私はちょうど第1回が始まる直前に読んだんです。
でも、予告はやっていたので、大きなネタバレを見てしまっていたんですよ。
損しましたね、正直^^;
でも、すさまじい作品でしたねぇ・・・。
面白いと簡単には言えない作品ですね。
重みがありました。
Posted by リサ  at 2006/07/09 10:10 PM
★苗坊さんへ
こんばんは!
コメントとTBありがとうございます♪
ドラマなんですがー、5話くらいかな?そこまでは順調に
見ていたのですが、後は録画したまんまになっています。
もうDVD借りたほうがいいかな、なんてー。
時間作って残りもしっかり見たいと思いつつ、放ったままです(^-^;)
子役たちの演技があまりにも素晴らしかったのでもうそれで
満足してしまった、という感もあるんですけど…ね。

苗坊さん、原作読み終える前に予告見てしまったとは!
確かにアレ見てしまったら「あちゃー」ってなりますね。
映像的にはあれを最初に持ってくるのが効果的だったのかも
しれませんが、後から原作読んだ方はどう思われたかな。

本当にただ面白いと言うには重みがありすぎる作品でした。
何というか読み終えた後もずっと引きずってしまう重さが
どうにもならず、しばらく悶々としていましたもの。

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