ひなたでゆるり

読書のコトとちょっぴり日々のコトブログ

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

スポンサードリンク | - | - | - | 
<< 1/12〜13:購入本(サイン本2冊) | 『一瞬の風になれ 第二部 ヨウイ』佐藤多佳子 >>

『一瞬の風になれ 第一部 イチニツイテ』佐藤多佳子

4062135620
一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ-
佐藤多佳子/講談社
「速くなる」ただそれだけを目指して走る。
白い広い何もない、虚空に向かって…………。
春野台高校陸上部。とくに強豪でもないこの部に入部した2人のスプリンター。ひたすらに走る、そのことが次第に2人を変え、そして、部を変える。「おまえらがマジで競うようになったら、ウチはすげえチームになるよ」思わず胸が熱くなる、とびきりの陸上青春小説、誕生。

毎月1巻ずつ刊行されていた本書。全3巻。刊行されてすぐに絶賛の感想をちらほら目にするようになる。2巻が刊行された頃は一時あちらこちらでこの表紙が踊り、そこに添えられた感想を読むにつれ「こりゃぁ読むしかないでしょう!」と鼻息も荒く書店へ走った。が、近所の書店には1巻、2巻と揃っているところなし。何軒はしごしてもなし。くっそ〜。まぁいいやそれだったら3巻出たとき一気に買えばいいや。とその時はスパッと諦めた。で3巻が出た頃また行った。今度は2巻と3巻がない。何故?3巻はもう売れてしまったのか?仕方なくとりあえず1巻を。この時はもう3巻全部揃ってから読み始めることを決めていたので(どうやら一気読みしないと生殺し状態になるらしい。それはヤダ(笑))2巻と3巻を何としてでも手に入れねば!とあらゆる方法を駆使してやっとこ入手(現在は普通に3巻揃って平積みになってます)。やっと揃ったのに読む機会がなかなかなく今になってようやく紐解き始めた。
本書が直木賞候補になったからというのが大きい。というかたぶんそれが理由かと。

で、読み始めた。読み始めたらもう止まれなかった。彼らと共に走り始めてしまった。ポンポンと弾む文体が心地良い。あれよあれよと引き込まれてしまった。
一家がサッカー好き。父母はマリノスファン、兄はサッカーの天才選手、もちろん弟の新二もサッカーに明け暮れていた。やってもやっても超えられない追いつけない兄の背中。天才だもの、敵わないのだどうやっても。次第にそんな気持ちに責められてサッカーをやめてしまう新二。
新二の幼なじみの連。こっちは陸上の天才。けれど本人はそんなこと全く意に介さず飄々としている。楽しかったはずの陸上もふいにやめてしまったり。
春野台高校陸上部。幼なじみの新二と連が入学した高校、そして入部した部活。サッカーに明け暮れていた新二と一旦陸上をやめた連が何故入部することになったのか、そこからスプリンターを目指す彼らの成長と青春。我が子を見るような気持ちで見守りたくなる。実際同じ年頃の息子を持つ母でもあるので彼らのことは本当に可愛いのだ。悩みながらも前を見つめてひたすら走る。手に取るような彼らの行動、心情が迫ってきてこちらまで喜怒哀楽忙しく読む。まだ1巻なんだよ。それなのにこんなに惹きつけられちゃってこの先一体どんな展開が待っているのだ。こりゃぁもうわくわく胸躍らずにはいられないでしょう。

さて、春高陸上部のメンバー。顧問の三輪先生が実に良い。とても魅力的。部員に対する言葉ひとつひとつが響いてきて、こんな先生に育てられたら素直に伸びるんだろうなと思わせる。そして部員達もそれぞれキャラがすごくいい。特にお気に入りは浦木先輩。占いを信じる浦木先輩のおかしさが可愛らしくてついくすくす。試合当日ひたすら風を気にする浦木先輩の「西の風になった!」と嬉しそうに叫ぶ姿がもう〜素敵。ある時連に対して説教する場面の浦木先輩のその説教方法、これがまたおかしくてプププと笑える。いいな〜素敵だ。

「速くなれよ、新二」
とある場面の新二に向けた根岸の強い口調。いつになく真剣な根岸の力強く優しさのこもった(きっと)言葉に気がついたら目頭を熱くしていた。連に対する焦燥や僻みや劣等感、そんなものがない交ぜになって支配してしまう新二に向けて放たれた言葉。そう、新二速くなるんだ。今の目標は速くなること。やれば出来る、絶対に。自然にそんなエールを送っていた。新二だけにでなく、根岸にも浦木さんにも他の選手達にも。そして連にだって。

運動音痴な、まして短距離なんて最も苦手な私が(瞬発力はないが、持続性はある長距離向き。でもとんでもなく遅い…)こんなにもドキドキさせられているんだから、陸上経験者やスポーツ万能な方にはさぞ楽しめる作品なのだろう。臨場感溢れる文体に体がうずうずして走りたくなってしまうかもしれない。あ、私は走ろうとは思わないが。走るのは嫌い、ダメ、勘弁。でもね、彼らと一緒に風になるのだ。
さぁ〜第二部が待っているぞ!いざ突入ー。
(やっぱりこれ生殺し状態になるのわかるよ。3巻揃っていて良かったと心底思うもの)

読了日:2007年1月13日

関連記事
『一瞬の風になれ 第二部 ヨウイ』感想
『一瞬の風になれ 第三部 ドン』感想
かりさ | 著者別さ行(佐藤多佳子) | comments(16) | trackbacks(10) | 

スポンサーサイト

スポンサードリンク | - | - | - | 

COMMENTS

Posted by まる  at 2007/01/15 5:32 PM
感想を見て読みたくなりました〜!
作家の荻原規子さんのブログでも紹介されていたので気になる本ではあったんですが。

もうすぐ春休みだし、読もうかな♪
Posted by 木曽のあばら屋  at 2007/01/15 8:02 PM
こんにちは。
この本、3冊一気読みが正解ですっ!!
私は刊行とともに一冊ずつ読みましたが、
ジリジリイライラしましたよ。
もう一度イッキに読みかえそうかと思ってます。
さて、直木賞、確か明日発表ですが、誰でしょうね・・・。
Posted by すの  at 2007/01/16 12:30 AM
二巻をやっと手に入れたものの、同じ直木賞候補の「空飛ぶタイヤ」、そしてジェフリー・ディーバー「12番目のカード」の二冊に阻まれてます(苦笑)。早く読みたぁい!
Posted by リサ  at 2007/01/16 10:32 AM
★まるさんへ
こんにちは!
是非是非読んでみてください!
熱くなれますよ(笑)
春休みに紐解くのもいいですね♪
とても素敵な作品でした。
まるさんも感動出来るといいなぁ、と思います。
Posted by リサ  at 2007/01/16 10:35 AM
★木曽さんへ
こんにちは♪
ホント!3冊一気に読めて幸せでした〜。
毎月刊行を待つなんてその間のじりじり感がまさに生殺し状態だわー。
3冊揃っているとまた一気読み返しが出来たりしてさらに幸せ。
買っておいて正解でした。
今高校受験を控えている長男に春休み読ませてみたいと
思っています。
直木賞選考、今夜ですね!誰かな〜。わくわくドキドキです。
Posted by リサ  at 2007/01/16 10:40 AM
★すのさんへ
ああ!すのさん、早く読んで読んで!
あ、でも3巻も買っておくことをオススメします(笑)
絶対3冊揃っていないと後悔すると思うんです。
すのさんの感想楽しみにしていますよー。
私は直木賞候補作はこの作品しか読んでませんが、
今回どうなるでしょうね。
他の候補作はぼちぼちゆっくり読もうと思っています。
Posted by 藍色  at 2007/01/16 1:44 PM
リサさん、こんにちは。
陸上初心者の新二が、ひたむきに陸上へと打ち込む姿が素敵でした。
浦木先輩、笑えるキャラで、いいですよね〜。
手元に三冊ありますが、あと2冊。期限内に読めるか微妙です。
特に3巻。貸出延長人も予約待ちにはかなわねぇ(時代劇?)ということで、急いで読みます(笑)。
次の巻が楽しみです。
Posted by リサ  at 2007/01/16 4:54 PM
★藍色さんへ
藍色さん、こんにちは♪
新二のひたむきさが素敵ですよね!
もう〜すっかりはまってしまいました。3冊一気読みです。
浦木先輩ね、いいですよね〜。彼がまた素敵なんです♪
はぁぁぁ思い出してまた泣けちゃいます(笑)
藍色さん2巻読んだらすぐにでも3巻へ進んじゃいますよ!
寝食忘れて一気読み間違い無しですよ!
きっときっと期限内に読める思います。どうか読めますように〜。

>>貸出延長人も予約待ちにはかなわねぇ(時代劇?)

ふふふ、つい笑ってしまいました(*^-^*)
ホント、ホント、延長常習犯も予約待ちにはかないません。
すごすご期間内に返すしかないのです…(しょぼん)

ものすごい吸引力で引っ張っていってくれるので安心して
読んでくださいね(笑)
藍色さんの感想すごく楽しみにしています〜♪
Posted by とも  at 2007/01/18 11:00 AM
私も一気読みでしたよ。
風、感じますよね〜

私は図書館で借りましたが、
運良く2冊続けて借りることが出来て
そして返して3冊目を借りてって、
続けて読めたのでラッキーでした。

TBさせていただきます。
Posted by リサ  at 2007/01/19 2:33 PM
★ともさんへ
こんにちは!
コメントとTBありがとうございます♪
もう〜これは一気に読んじゃいますね。面白かったです。
ホント、新二たちと一緒に風を感じていました。
ともさん図書館で一気に借りられたのですね。何とラッキー♪

Posted by touch3442  at 2007/02/13 12:44 PM
リサさん、こんにちは。

ぼくも一気呵成に読んでしまいました。

「まだ、何ページ残っている」というはやる気持ちと、「もう、何ページしか残っていない」という惜しむ気持ちとを交互に味わいながら読みました。

全くの個人種目のように思われる陸上競技も、立派な団体競技なんだと、認識を新たにしました。

本当に最高の小説でした。

Posted by リサ  at 2007/02/14 4:32 PM
★touch3442さんへ
こんにちは!
touch3442さんも一気読みでしたか!
そうなんですよね、はやる気持ちと惜しむ気持ち。
全く一緒ですよー。ああ、私もその時の気持ち思い出してきました。

眩しい青春ものでしたがたまにはいいですね。
最高〜でした!
Posted by miyukichi  at 2007/05/24 3:59 PM
 こんにちは♪
 TBどうもありがとうございました。

 私はまさに生殺し状態です(笑)
 それにしても、1巻が手元にありながら
 3巻揃うまでガマンできたリサさん、すごいです^^

 私も陸上には縁がなかったんですけど、
 それでも「風になるっていいなぁー」って思いました☆
Posted by リサ  at 2007/05/24 9:36 PM
★miyukichiさんへ
こんばんは!こちらこそTBありがとうございました♪

そうですよね!miyukichiさん、今まさに生殺し状態ですよねー。
ううう。早く読みたいでしょうに。
私は全巻揃ってからでないとたぶん我慢出来ないと思ったので
揃うまでひたすら我慢しましたよー(笑)
早く続き読めるといいですね。
運動音痴だってこんなに楽しめちゃうんですもの、陸上やっていた方は
もっともっと思い入れ深く読めるのかな、と思います。
ちょっとそれが羨ましかったりします…。
Posted by 苗坊  at 2007/07/15 8:53 PM
こんばんわ^^TBさせていただきました。
私はまだ1冊しか読んでいないんですが、2,3部もありますよ〜^^
気になりますよね。
新二のような子、好きですね〜。
一生懸命な人は大好きです。
なので、連がどうなっていくのかもちょっと気になっています。
Posted by リサ  at 2007/07/22 8:22 PM
★苗坊さんへ
こんばんは!コメント&TBありがとうございます♪
お返事がすっかり遅れてしまってごめんなさい。
もう2部も3部も読み終えましたよね〜。
1部を読んでいた頃ってもう先が気になって気になってどうしようも
なくなりますね(笑)
みんないい子で可愛い!めっちゃ楽しんで読んでいました。

COMMENT FORM




 

 

TRACKBACK

図書館で本を借りよう!〜小説・物語〜  at 2007/01/16 12:27 AM
「一瞬の風になれ1-イチニツイテ-」佐藤多佳子
「一瞬の風になれ1-イチニツイテ-」佐藤多佳子(2006)☆☆☆☆★ ※[913]、国内、現代、小説、青春、陸上、少年 ※あらすじあり、未読者は注意願います 全3部作、3ケ月連続刊行。第一部のサブタイトルが「イチニニツイテ」、二部が「ヨーイ」、そして三部が「
+ ChiekoaLibrary +  at 2007/01/16 12:26 PM
一瞬の風になれ 1 ―イチニツイテ― [佐藤多佳子]
一瞬の風になれ 第一部 ―イチニツイテ―佐藤 多佳子 講談社 2006-08-26 中学まではサッカーをやっていた新二。サッカーの天才である兄・健一と自分を比べてばかりいた新二だが、高校に入学し、幼馴染の親友・連と一緒に陸上部に入部したことから、彼の中で何かが変
粋な提案  at 2007/01/16 1:50 PM
一瞬の風になれ第一部イチニツイテ 佐藤多佳子
カバーイラストはクサナギシンペイ。デザインは有山達也、飯塚文子。 1989年「サマータイム」で月刊MOE童話大賞を受賞しデビュー。「イグアナくんのおじゃまな毎日」で98年産経児童出版文化賞、日本児童文学者協会賞、99
とものブックレビュー  at 2007/01/18 11:01 AM
一瞬の風になれ第一部‐‐イチニツイテ‐‐/佐藤 多佳子
一瞬の風になれ 第一部 --イチニツイテ--佐藤 多佳子 講談社 2006-08-26by G-Tools 「速くなる」 ただそれだけを目指して走る。 白い広い何もない、虚空に向かって…………。 春野台高校陸上部。とくに強豪でもないこの部に入部した2人のスプリンター。ひたすら
栄枯盛衰・前途洋洋  at 2007/01/28 1:30 PM
陸上部の青春を描く『一瞬の風になれ』(佐藤多佳子著)の(1)イチニツク
先週、ある朝の通勤電車の中で、私はある本の広告をじっと眺めていた。「王様のブランチ」2006年No.1、「本の雑誌」2006年ベスト10第1位 『一瞬の風になれ』佐藤多佳子春野台高校陸上部。特に強豪でもないこの部に入部したスプリンター、新二と連。天才がいれば、
生きることにも心急き、感ずることも急がるる…  at 2007/02/13 12:45 PM
『一瞬の風になれ 1 2 3』佐藤多佳子著(講談社)
一瞬の風になれ 第一部 --イチニツイテ--一瞬の風になれ 第二部一瞬の風になれ 第三部 -ドン-    以前、『夕刊ゲンダイ』か何かの書評で、この作品が好意的に紹介されていたことがあった。それ以外でも、この作品を評価する文章をちらほらと見かけた。そんなことか
miyukichin’mu*me*mo*  at 2007/05/23 12:33 AM
一瞬の風になれ 1−イチニツイテ−/佐藤多佳子 [Book]
 佐藤多佳子:著 『一瞬の風になれ 1−イチニツイテ−』  一瞬の風になれ 第一部 --イチニツイテ--講談社このアイテムの詳細を見る  図書館に予約してから、半年間。  待ちに待って、ようやく回ってきました。  今度はちゃんと、1巻です♪  (ちなみに前回読
こんな夜だから本を読もう  at 2007/06/18 12:10 PM
[review][○]佐藤多佳子『一瞬の風になれ 第一部 イチニツイテ』
 中学時代、サッカー選手として活躍してきた新二だったが、天才的なサッカー選手である兄への複雑な感情から、高校進学を機にサッカーの道をあきらめた。だが、親友のスプリンター連を陸上部に入部させる口利きをしているうちに、いつしか陸上部に魅せられ、連ととも
苗坊の読書日記  at 2007/07/15 8:18 PM
一瞬の風になれ 1 イチニツイテ 佐藤多佳子
一瞬の風になれ 第一部 --イチニツイテ-- 主人公である新二の周りには、2人の天才がいる。 サッカー選手の兄・健一と、短距離走者の親友・連。 新二は兄への複雑な想いからサッカーを諦めるが、連の美しい走りに導かれ、スプリンターの道を歩むことになる。 夢は、
デコ親父はいつも減量中  at 2007/10/08 4:13 PM
一瞬の風になれ 第一部 --イチニツイテ-- <佐藤多佳子>−(本:2007年110冊目)−
一瞬の風になれ 第一部 --イチニツイテ-- 出版社: 講談社 (2006/8/26) ISBN-10: 4062135620 評価:86点 一点の曇りもない、ひたすらに爽やかな青春スポーツ小説。 その爽やかさに引き込まれ、一気に最後まで読み終えてしまった。 といっても、まだ後ろに2
Trackback url: