ひなたでゆるり

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『亡国のイージス』福井晴敏

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亡国のイージス
福井晴敏/講談社
日本推理作家協会賞・日本冒険小説協会大賞・大藪春彦賞受賞作
現在、本艦の全ミサイルの照準は東京首都圏に設定されている。海上自衛隊護衛艦「いそかぜ」。その弾頭、通常に非ず。(帯より)
凄い!とりあえずこう叫びたい。読了後ほぅっとため息と共に本を閉じました。購入時、その分厚さと存在感の圧力に尻込みしそうになりましたが、読み進むにつれてそれはおびただしい数の付箋を配され、何度も読み返されたページは手垢によって染められ、いつしかこれまでにない、興奮と高揚と切なさをひしひしと感じていました。

冒険小説だそうです。なるほど、男のロマン溢れる冒険小説というジャンルに分類されるのでしょう。けれども本書はその枠を完全に越えています。冒険小説という枠だけに留まらないくらいスケールが大きすぎて最初こそ戸惑いましたが、 読み進むにつれそんな戸惑いはすぐに消え去っていました。心を根底から揺さぶる何か、切っ先でえぐられるような胸の痛み、 鳴り止まない大音響、心の波のさざめき。全速で物語は進んでいるかのようですが、時々フッと息抜きが出来る間も忘れない。素晴らしい筆力です。

国家、組織、そしてそれによって動かされる個人の思惑。それぞれの葛藤とぶつかり合い、 個々が持つ傷の深さ…。 ラストへ導く灯火が滲んで、溢れ出て仕方ありませんでした。読み終えるのがもったいなくて、何回か読み返した部分もあったために、 読了までにかなり時間がかかってしまいました。素晴らしい作品に出会えたことを感謝いたします。

読了日:2000年7月25日
かりさ | 著者別は行(その他) | comments(0) | trackbacks(1) | 

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小説耽読倶楽部  at 2007/07/28 4:29 PM
http://novel-lab.info/93FA967B96608CAF8FAC90E08BA689EF/
JAFA)は、1981年に内藤陳が設立した協会。前年に国内で発表された冒険小説作品(海外作品の翻訳含む)の中から会員の投票により選定し作者に贈る「日本冒険小説協会大賞」を主宰。公認酒場「深夜プ
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