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『食堂かたつむり』小川糸

食堂かたつむり
食堂かたつむり
小川糸/ポプラ社
料理の神様、お願いします−衝撃的な失恋のあと、倫子は故郷に戻り実家の離れで食堂を始める。ある噂とともに店は評判になるが。

あまりに突拍子のない冒頭に驚きつつ、主人公である倫子のその先がどうなってしまうのかドキドキと読み始める。ついさっきまで恋人と暮らしていた部屋は今やもぬけの殻。まさに、何も残されてなく。それでもたったひとつ残されたものを抱えて倫子は郷里へと帰る。
何も残されていない自分に出来ること。料理を作ること。修行時代に培った料理の腕をふるうため開店した食堂。そこにやってくるいろいろ問題ありのお客さま。お客さまに料理を食べてもらうことによって倫子の問題も氷解していくのかな?と想像しながら読んでました。
倫子にとっての問題は失恋もそうだけど、もっともっと根深いもの、母親との確執であります。母親に愛されたという実感を持てないまま育って、育った土地を離れて、戻ってみてもやっぱり居場所はないような気がして。倫子の再生は果たしてあるのか!?

兎にも角にも料理の場面はぐぐっと引き寄せられます。聞いたことも見たことも、いや、存在自体も知らなかった料理なども登場してその未知な味を想像しながらの読書は大変楽しい。だって!ザクロカレーって一体どんな味なの!?って気になるじゃないですか!

唐突に起きた倫子の身の上に驚いたけど、倫子の作る料理は素敵だし、その料理で癒される出来事も良かった。倫子の再生の兆しが見えていく過程も、良かった。
ただ、ほのぼのした雰囲気の中にこれは小川さんの意図なのかどうか、やけにリアルな描写がこれまた唐突に表れるものだから正直戸惑いました。やんわりとぼかして描くであろう部位などもとても写実的だったのです。そこだけ急に現実に引き戻されたような感覚でした。でも、これもまた小川さんの文体の魅力なんでしょう。

ラスト、倫子の清々しさが良く伝わってホッと本を閉じました。
かりさ | 著者別あ行(その他) | comments(2) | trackbacks(4) | 

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COMMENTS

Posted by 雪芽  at 2008/08/29 6:27 PM
リサさん、こんばんは。
美味しい料理を食べて癒されるお客さんと一緒に、
自分まで癒されて幸せな気分を味わいました。
ザクロカレーが気になります。食べてみたい!
ただ、生あるものを食するという、
普段意識しない現実をリアルに描かれると、
かなり衝撃でもあります。
全体的にはほのぼのした雰囲気の中、
再生していく流れが心地良く感じた話でした。
Posted by リサ  at 2008/11/17 2:05 PM
★雪芽さんへ
雪芽さん〜こんにちは!
すっかり、すっかりお返事が遅くなってしまいました。ごめんなさい。

食材と向き合い、心を込めて料理をする。
料理ってやっぱり奥が深いなぁ、としみじみ読みました。誰かに食べてもらうってことも幸せですよね。
ザクロカレーは私もすっごく気になりました!

ちょっと衝撃的な場面もありましたが、それも必要なことなんだな、と時間が経つにつれ思ってます。
再生の物語、ですね。

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