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『大鴉の啼く冬』アン・クリーヴス

大鴉の啼く冬 (創元推理文庫 M ク 13-1)
大鴉の啼く冬
アン・クリーヴス 玉木 亨・訳/創元推理文庫
新年を迎えたシェトランド島。孤独な老人マグナスを深夜に訪れた黒髪の少女キャサリンは、4日後の朝、大鴉の舞い飛ぶ雪原で死んでいた。真っ赤なマフラーで首を絞められて。住人の誰もが顔見知りの小さな町で、誰が、なぜ彼女を殺したのか? 8年前の少女失踪事件との奇妙な共通項とは?CWA最優秀長編賞受賞作。
読み終えたのは昨年の10月で今更の感想なんですが…大好きなミステリですのでちゃんと感想を残しておこうと記憶を辿りながら、またちょこちょこ再読しながら書いております。

舞台は英国最北にあるシェトランド島。
凍てつく元日の深夜、老人の家を訪れた二人の少女。孤独な老人マグナスにとってそれは数年ぶりの訪問者。ある事件をきっかけに彼の元を訪れる者がいなくなってから彼の孤独感はいかほどだったか、マグナスの独白によってやがて読者に知らされます。
そしてこの小さな町で起きた最悪の事件。
老人を訪れた少女の一人が死体となって発見されるのです。一体誰か殺したのか。彼女は何故殺されてしまったのか。

この町にとって忌まわしき8年前に起きた少女失踪事件との関連性があるのか、失踪した少女はどこに消えてしまったのか。この2つの事件の謎を絡めて犯人を推理していくのですが…いやはやまさかまさかの展開でありました。この犯人は思い至らなかったわ。
犯人が分かってみればああそうか、理由は確かに納得出来るかもしれない、と思ってしまうのだから勝手なことであるけれど、しかし上手いなぁと感心するわけです。

小さな町という舞台設定と(しかも冬の厳しい環境の中であることと)、3人称で語られる多視点であることが読み手を見事に惑わし魅惑する。
寒々しい冬の描写、その一面真っ白な雪の原野に差す赤。その上を飛び交う大鴉の黒。
これから起こる不穏さを感じさせながらもとても美しい色彩描写に、つい魅了されてしまいます。
物悲しい物語の終わりは静かで深い余韻を与えていつまでも消えません。

読了日:2008年10月25日
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