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『儚い羊たちの祝宴』米澤穂信

儚い羊たちの祝宴
儚い羊たちの祝宴
米澤穂信/新潮社
ミステリの醍醐味と言えば、終盤のどんでん返し。中でも、「最後の一撃」と呼ばれる、ラストで鮮やかに真相を引っ繰り返す技は、短編の華であり至芸でもある。本書は、更にその上をいく、「ラスト一行の衝撃」に徹底的にこだわった連作集。
「身内に不幸がありまして」「北の館の罪人」「山荘秘聞」「 玉野五十鈴の誉れ」「儚い羊たちの晩餐」5編の短編集。
表紙の真っ黒さと同様、暗黒なお話達でございました。
これがもう素晴らしくいい!かなりのお気に入りです。
「ラスト一行の衝撃」とかでしたっけ?紹介文。
確かにラストで「うおおおっ」というのはありますけど、最後のオチが衝撃さというよりもじわじわとそう、じわじわと侵食されていくようでそこがまた何とも言えない心地良さ。
もう一度読み返したい衝動に駆られて読み返すとこれがまたいい効果を成してさらに楽しめるという。

お気に入りは「北の館の罪人」「玉野五十鈴の誉れ」「儚い羊たちの晩餐」。

★以下、ネタばれはしないつもりですが、もしかすると先入観を与える表現をしてしまうかもしれませんので、未読の方はご注意下さいませ★

「身内に不幸がありまして」こちらは後半になって真相がわかりはじめるというやつなんですが、綺麗にオチがついてなかなか好きです。タイトルをこれにしちゃうあたり、すごいです。で、作中に登場するオマージュとも言うべき数々の作品の素晴らしいこと。全部を読んでいないのが残念なところですが、雰囲気は充分伝わります。
意外でにんまりしたのは毛色の違う作品が登場したこと。
でも確かに作中でそういう場面がありました(思い出した!)。う〜ん天晴れ。

「北の館の罪人」も好き。
やはりオチがいいわぁ。これを彼女に言わせたところがまた良い。

「山荘秘聞」は別の意味でオチに驚いたというか、そう思わせておいてそうくるかーっと、にやりとさせられる。ちょっと箸休め、みたいな。
あのままいったらそれはそれで面白かったかもしれないけれど、ここがまた上手いところなんだろうと思うのです。

先にStory Sellerで読んでいた「玉野五十鈴の誉れ」ですが、これってこんなにラスト衝撃的だったかしら?と(いや〜これがまた上手いんですわ。これぞラスト一行の〜ですな)今手元にStory Sellerがないので確認出来ないのがもどかしいのですが、えっと違いますよね?米澤さんきっと書き替えてますよね?だとしたらこちらのほうが断然いい!
(というか、たぶんどれも加筆修正がなされているかもしれない)
元になった作品は未読なのですが、有名なのでいつかは読んでみたい。

大好きなのは「儚い羊たちの晩餐」。
表題とタイトルが微妙に違っているんですよね。ここがまたお見事。これはラストのオチ云々というよりもそこに至る流れがものすごく良くて、読んでいくとこのテーマが次第に解りはじめてこれがまたゾクゾクするのですよ。この感覚がもうたまりませんっ。
元ネタの「厨娘」はとても短い話ですが、ここまで膨らませミステリに(いや、ホラーになるのかな)仕立て上げてもうもうお見事です。いや〜この厨娘の怖さはじわじわきます。
そして参考文献で中野美代子さんの名が出てきますが、中野さんといえばアレになるわけです。ここら辺ぼかして書いている分、読み手が妄想や想像を膨らませて読むのでもうこの辺自由自在に。
出てくる料理や絵画(←これもそのテーマに合っているのよ〜)などなかなかのグロさで大満足でした。

「バベルの会」の消滅と復活と。
復活後の続編が果たして描かれるのでしょうか。

読了日:2008年12月22日
かりさ | 著者別や・ら・わ行(米澤穂信) | comments(2) | trackbacks(1) | 

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COMMENTS

Posted by 苗坊  at 2009/03/20 6:05 PM
こんばんわ。
TBさせていただきました。
面白かったですね〜。
米澤さん自身がミステリを崇拝しているのがわかります。
どの作品も、ラストが読めなくて^^堪能しました。
「玉野五十鈴の誉れ」が特に印象的なのですが、アンソロジーでも出ているんですよね。
微妙に内容が違っているのですか・・・。
読んでみたいです!そして続編が出るのならば絶対読みたいです!
Posted by リサ  at 2009/04/17 11:30 AM
★苗坊さんへ
苗坊さん〜こんにちは!
すっかりお返事が遅くなってしまってごめんなさい。
これはもうもうっ!大好きな作品です。黒さがたまりませんよね。
「玉野五十鈴の誉れ」は私も大好きです。
これって以前「ストーリーセラー」という雑誌に掲載されていて(文庫化になりましたよね)微妙に変えているんですよねー。
ぜひぜひ読み比べてみて下さい。
続編、私も切望です!(*^-^*)

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