ひなたでゆるり

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『時計を忘れて森へいこう』光原百合

4488012205時計を忘れて森へいこう
光原 百合
東京創元社
1998-04

by G-Tools

時計を捜して森をさまよう若杉の前に現れた、穏やかで柔らかい声の主。瞳に温かい光を宿すそのひとは、手触りの粗い「事実」という糸から、美しい「真実」を織りあげる名人だった―。心やさしいミステリ連作集。「だれもみなきらめく星空の下でくらしてる」
なんて優しい文体でしょうか。それを織りなす土台がまた爽やか。
「愛」の物語だと思います。愛、と言っても一言では表せないくらい様々な形があります。 そのどれもが切なく、愛しく、壊れそうなくらい儚げです。けれども優しさだけでない、地にしっかり足をつけて生きていかねばならない現実も教えてくれます。

この作品は三つの物語で構成されています。そのどれもが痛々しいくらいの傷を負った、生きていくことに自信を無くしかけた深い悲しみが彩っています。その悲しみの「謎」を小さな小さな手がかりの欠片を集めて織り上げ、 絶壁の淵から少しでもこちら側に引っ張ってくれる名探偵。その探偵さんを温かく見守る小さな助手さん。 中でも第二話はあまりにも切なく、その謎が解き明かされた時、ボロボロと涙が溢れ出てしまいました。

心がギシギシ音を立ててささくれ立っているのを感じたら、是非手にとって読んでみて下さい。誰かに包まれたい、包みたい、そんな感情が生まれるかと思います。つまり自分以外のものに目を向けてあげられる余裕が出来るのだと思います。でもあまりにも自然に密着したお話なので、そういうのが苦手な人にはちょっときついかなという感も無きにしも非ず。

読了日:2000年10月4日
かりさ | 著者別ま行(光原百合) | comments(4) | trackbacks(5) | 

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COMMENTS

Posted by chiekoa  at 2005/08/16 3:52 PM
私は自然大好き!人間なので、ぴったりでした!続編もあってもステキかも!
Posted by リサ  at 2005/08/17 12:26 AM
★chiekoaさんへ
chiekoaさん、こんばんは!
自然が好きだと本当にこの作品は癒されますよね〜。
あぁ再読したくなってきました♪
続編切望しているのですが…どうでしょうか。
また彼らに会いたいです。今どうしているかなぁ、なんてふと思ったりして。
Posted by やぎっちょ  at 2006/12/16 7:42 PM
リサさんこんばんは〜。ご紹介6冊目。読み終えました♪これで全部読了です。本当にありがとうございました。
光原さんもはじめて読んだのですが、ミステリーと呼ぶには異色ですね。一人の人間の内面の謎に迫るというスタイルが新しかったです。こんなにほのぼのと謎を解明されると、なんだか力が抜けてしまいますね〜。
あ、なるほど「愛の物語」か。それをちょっと拝借して「愛の謎解き」というイメージを持ちました!
紹介してくださってありがとうございました!!
Posted by リサ  at 2006/12/16 9:13 PM
★やぎっちょさんへ
こんばんは!
おおー読み終えられましたね!6冊全て!
嬉しいです。こちらこそありがとうございます。

これはガチガチのミステリとは違うのでちょっと気が抜けるのは確かですね。
この頃、いわゆる本格ミステリを結構読んでいて
心がすさんでいた時期があって(笑)そんな時出会ったのがこの本でした。
ミステリでこんなに優しい気持ちにさせてもらえること、
おっしゃるとおり、人間の内面の謎が明かされたときの切なさ
みたいなものが逆に新鮮で癒されたのを覚えています。
光原さん作品はどれも素敵なのですよ〜。
機会がありましたら是非♪

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