天地明察 冲方丁/角川書店
江戸、四代将軍家綱の御代。ある「プロジェクト」が立ちあがった。即ち、日本独自の太陰暦を作り上げること--日本文化を変えた大いなる計画を、個の成長物語としてみずみずしくも重厚に描く傑作時代小説!!
読み終えたのが7月と初夏の頃なんですが…とても素晴らしい作品だったので感想今更ですが記録します。
何度も感情を突き動かされながら読みました。
壮大な歴史ロマン。己の信じた道を情熱を持ってひたむきに歩むその真っ直ぐさ。
春海の挫折を繰り返しながらも、明察を信じて立ち向かっていく、雑草のごとき生命力にこちらも力漲るようでした。
建部、伊藤の年齢に関係なく好奇心を抱き、ひたすらに挑む姿に感銘。
(おじさまコンビの無邪気な好奇心の様子がとても微笑ましくて、また泣ける。このお二人、大好き)
若き者に志を託し、それを受け継ぎ偉業に挑む春海。
優しい気持ちで春海を見守る二人の魂がさぞ喜びに満ちていただろうと思うと、もう胸が熱くなります。
そして春海に大きく関わってゆく人物たちのなんと魅力的なこと。
彼を魅了してやまない算術、関孝和という天才との出会いの財産。
酒井忠清、保科正之、水戸光圀、本因坊道策、えん、そしてこと。
特に会津藩士・安藤有益の実直さに惹かれました。
改暦の大志を抱き、22年という年月をかけてついに天に触れたときの止め処なく溢れる思い。
天地明察、素晴らしい言葉です。
読了日:2010年7月15日
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