
ゾラン・ジフコヴィッチの不思議な物語 ゾラン・ジフコヴィッチ/山田順子訳/黒田藩プレス
近年大注目の旧ユーゴスラビア・ベオグラード出身の現代作家、ゾラン・ジフコヴィッチ(Živković)による摩訶不思議なストーリーを集めた傑作選。
めくるめく物語の巧妙な仕掛けに酔いました。
タイトルの『不思議な物語』とあるように実に不思議なお話3編が収録されています。
一見シンプルな文章の中に織り成される不思議な味わい。
そこに奇妙で幻想的な要素が加味されて読むほどに味わい深くその深さにどはまりしていくのです。
入れ子式に複雑に入り組んだ物語「ティーショップ」、幻想的世界に迷いこむ「火事」(この結末がまた妙で惹き込まれる)、SFのようなミステリーのような奇妙な味わい「換気口」…ジフコヴィッチの独創世界にすっかり絡め取られ抜け出せなくなってしまい、読み終えてまだ浸っていたくてまた読み返して…を繰り返してしまう。
一番のお気に入りは「ティーショップ」。
カフェが舞台で物語の冒頭はなかなか可愛らしい感じで進むのですけど、だんだんと物語の様相が変化してきてこの物語の行先にドキドキします。
よくよく考えみれば怖いよなぁ、怖いよね。
まだまだ未訳の作品が沢山でもっともっと読みたい。
特に『図書館』という作品に一番興味あり、です。
読了日:2011年5月9日
★黒田藩プレス本書紹介ページ⇒
ゾラン・ジフコヴィッチの不思議な物語
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