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『犯罪』フェルディナント・フォン・シーラッハ

犯罪
犯罪
フェルディナント・フォン・シーラッハ著/酒寄進一訳/東京創元社
一生愛しつづけると誓った妻を殺めた老医師。兄を救うため法廷中を騙そうとする犯罪者一家の息子。羊の目を恐れ、眼球をくり抜き続ける伯爵家の御曹司。彫像『棘を抜く少年』の棘に取り憑かれた博物館警備員。エチオピアの寒村を豊かにした、心やさしき銀行強盗。―魔に魅入られ、世界の不条理に翻弄される犯罪者たち。高名な刑事事件弁護士である著者が現実の事件に材を得て、異様な罪を犯した人間たちの哀しさ、愛おしさを鮮やかに描きあげた珠玉の連作短篇集。

彼らは何故犯罪を犯さねばならなかったのか。それも常人には理解出来ない異様な犯罪を。
弁護士である「私」が出会った実際の事件を元に綴った11の犯罪文学。
事件はいかにして起きたか。犯人の生い立ちから淡々にけれども丁寧に綴られていきます。
凄惨な場面、暴かれていく人間の本性…憎むべき犯罪のはずなのに彼らの人生の語りを読むにつれ、愛おしささえ感じてしまう。
シンプルな文章と訥々とした語りの中に著者の真摯な気持ちが感じ取れて、魅了されます。
その引き込まれ感は圧巻。

「棘」が特に秀逸でずっと胸に突き刺さったままなのです。
他「ハリネズミ」「緑」「エチオピアの男」も印象的でした。
訳者の酒寄さんによれば、第二作の翻訳準備に入られているとのことでこれは楽しみ!
そして新作の中編小説のことや『犯罪』の映画化のこと、これからますます期待が込められます。

読了日:2011年6月27日
かりさ | 海外小説 | comments(0) | trackbacks(0) | 

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