2012.05.10 Thursday
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読書のコトとちょっぴり日々のコトブログ
僕はまだ子供で、ときどき、右手が人を殺す。その代わり、誰かの右手が、僕を殺してくれるだろう-。近未来を舞台に、戦闘機パイロットである「僕」の日常を描き、「死とは」の問いに挑む。『スカイ・クロラ』読了。
描くことに没頭し燃え尽きるように自殺した画家、東条寺桂。『殉教』『車輪』―二枚の絵は、桂の人生を揺さぶったドラマを語るのか…。劃期的な、余りに劃期的な、図像学ミステリの誘惑。第九回鮎川哲也賞受賞作。『殉教カテリナ車輪』読了。第九回鮎川哲也賞受賞作。美しい装丁から印象付けられる品の良さがそのまんま文体に流れ込んでいます。ミステリィには縁の無い、図像学(イコノグラフィー)や図像解釈学(イコノロジー)という趣向が取り入れられており、そのあたりの記述がなかなかに興味深い。その好奇心の赴くままどんどん読み進んでしまう。完成度の高い作品だと思います。新人作だからといって心配や不安を感じることは全くなし。むしろ感情移入までしてしまってワタシは読了後泣きました(あ、現在の情緒不安定が起因しているわけではなく、純粋に)。異端画家として描かれている、東条寺桂という男をもっともっと描いて欲しかった。寡黙で図体のでかい、感情を表さない人間。なかなかに惹かれます。(日記より抜粋)
いちばん初めにあった海 加納 朋子 角川書店 1996-09 by G-Tools |
「私、人殺しなの…」幼い頃の罪の記憶を抱えたふたりの女性は、日常の狭間に見え隠れする愛と生命の尊さを通じて再生してゆく。胸いっぱいひろがる、ぬくもりあふれたファンタスティック・ミステリー。『いちばん初めにあった海』読了。あぁ、久しぶりに良書を読んだなぁ、と実感した作品でした。表題作の「いちばん初めにあった海」は淡々とした中にもそこに見え隠れする、得体の知れないものの正体をつかもうと先へ先へと進みたがる自分と、ふうわりふわりとゆったりなびいていたいと感じる自分とが存在していました。その相反する感情がもどかしくて、でも切なくて、感情のコントロールがきかなくなってしまっていました。ラストはホロリ。もう一編の「化石の樹」。これは初めはもう退屈で退屈で、一体これがどうなっていくのか、その変化が見出せずにいました。が!それでも耐えて読み進んでいくうちにどんどんと引き寄せられて夢中になっている自分がいました。優しい文体に潜む残酷さ、痛み、切なさ、そういう異質なものが妙に相まって共鳴しているようでした。読み進むうちにするすると気持ちよく解かれてゆきます。装丁も美しい、心安らぐ作品です。 (日記より抜粋)
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