2012.05.10 Thursday
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読書のコトとちょっぴり日々のコトブログ
双子の兄弟が殺人犯?しかし兄の妻が余呉湖畔で殺されたとき、兄は博多、弟は酒田にいてアリバイは完璧だった。やがて第2の殺人。兄弟のどちらかが被害者らしいが、死体からは頭と手首が失われていた。犯人の狙いはどこに?犯人の大トリック、多彩な伏線が、結末で読者を仰天させる繊細で静謐…読み終えたときしみじみそう感じました。トリックもさながら細々した描写、人物の描き方、いちいち感嘆していました。派手ではないけど、ゆっくり浸透していく感じ。作中の「アリバイ講義」は通常のミステリ好きならば興味深く読むのでしょうけど、私は退屈で、退屈で…。とにかく適当にサラッと流して犯人像を追いかけるのに夢中。やっぱりね…と優越感に浸るのも束の間、しっかりやられちゃいましたよぅ。そして冒頭をもう一度なぞる。わぁいいわぁ、コレ。ということでしばらく有栖川作品追いかけることにします。 …もう一つ、有栖川氏は夜の情景を書くのがすごく上手いと学生アリスシリーズを読んで思っていたのですが、今回でそれが自分の中で確立したようです。
水琴窟という、庭先に水をまくと珠をころがすような安らかな音が鳴る仕掛け。操がそれを初めて知ったのは至剛の家の庭だった。孤独な転校生だった操を気遣ってくれた爽やかな少年至剛。しかし、快活そうに見えた彼には、避けがたい死が迫っていた。病床の至剛の求めるまま、操は庭の水琴窟を鳴らすのだが…。少年たちの孤独と淡い愛情、儚い命の凛々しさを描く表題作など珠玉の短編五編。
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