魍魎の匣 京極夏彦/講談社ノベルス
匣の中には綺麗な娘がぴったり入ってゐた。箱を祀る奇妙な霊能者。箱詰めにされた少女達の四肢。そして巨大な箱型の建物―箱を巡る虚妄が美少女転落事件とバラバラ殺人を結ぶ。探偵・榎木津、文士・関口、刑事・木場らがみな事件に関わり京極堂の元へ。果たして憑物は落とせるのか!?
『魍魎の匣』読了。
いや〜つくづく京極氏の作品は凄い。これでもか、これでもか、と気持ちを揺さぶります。それがまた心地良い。
『魍魎の匣』は前作 『姑獲鳥の夏』をさらに越えた凄まじい内容でした。
人間の闇は時代設定と相まって絶妙だし、人物それぞれ活きていて感情移入しやすい (榎木津の面白さといったら!)。今回は悲哀が色濃くて痛みを感じるばかりでした。特に雨宮のくだりはグッときてその部分はしばらく何度も何度も文章を追っていました。
中々に面白くてここ数日は寝不足の日々だったのですが、作中作の内容が怖くて怖くて、深夜暗い中寝ることが出来なくなり、テレビつけっぱなしで寝たりしていたほどです…。ホラーとかの恐怖ではなく、言葉では表せない恐怖。
タイトルにもある「匣」、いろんな形はあれど箱だらけ。箱から連想するみっしり、ぎっしり… しばらくこの恐怖が付きまといそうです。
読了日:2003年10月7日
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