オーデュボンの祈り 伊坂幸太郎/新潮文庫
『オーデュボンの祈り』読了。
ちょっと今はまだ興奮気味というか思いっきり余韻に浸っています。最高に楽しめた作品。こんな小説が書けちゃうなんてかなり柔軟な脳の持ち主。こちこちに凝り固まっている私にはただただ新鮮でそれが功を成したか一気に読み終えてしまいました。
コンビニ強盗を図ったものの失敗し、捕まった手から逃れた伊藤。気がついたら荻島という江戸以来150年外界から交流を断っている島にいた。住人はみな奇妙な者ばかり。未来が見える人語をしゃべるカカシ、反対語しかしゃべらない園山という画家、殺人を許されている桜という男。ある日カカシの優午が何者かに殺される(果たしてカカシが殺人になるかどうかは別として(笑))。最大の謎。なぜ未来が見えるカカシは自分が殺されることがわからなかったのか…。
なんでカカシがしゃべるの?なんて思っちゃいけません。素直にこの作品に飲み込まれましょう。タイトルのオーデュボンは実在の人物だそうです。読み終えた今そのタイトルの意味が切々と響いてきます。謎があちこちにばら撒かれていたものが、パチンパチンと見事にはまっていくのは爽快感すら感じます。ま、放りっぱなしで気になる箇所もあるにはあるけど、そしたらもっと長くなってしまうからこれでいいのかな。久し振りに堪能出来た作品でした。自分の中では最高の部類に位置します。
読了日:2004年6月12日
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