2012.05.10 Thursday
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読書のコトとちょっぴり日々のコトブログ
夢を見ることも、野心もすべてあの夏の日に生まれた。なんと艶やかで官能的な世界でしょうか。古書店という妖かしい舞台だけでも歓喜に震えます。いや、読む前まではこの作品、誤解していました。美男2人が登場する話し、という予備知識があったため勝手にあれやこれや想像していたのです(笑)(美少年と書きたいところですが、20代の彼らはすでに少年ではないですね)ここにある2人はそんな直接的なものではなくもっと奥の深い複雑な基に成り立っている関係なのでした。だからこそ妄想めいた思いを抱きながら膨らませながら読むことになってしまうのですが…。この2人を縛り付ける過去が明らかになるにつれ、ますますそれが結びつきを深くしているのだろうと思う。決して分かつことの出来ない強い繋がり。もうすでにそれは呪縛と化している。夜の無窮堂が美しい。ラストの幻想的な描写にしんみり感動しました。
『無窮堂』は古書業界では名の知れた老舗。その三代目に当たる真志喜と「せどり屋」と呼ばれるやくざ者の父を持つ太一は幼い頃から兄弟のように育つ。ある夏の午後に起きた事件が二人の関係を変えてしまう…。
記憶が80分しか持続しない天才数学者は、通いの家政婦の「私」と阪神タイガースファンの10歳の息子に、世界が驚きと喜びに満ちていることをたった1つの数式で示した…。頻出する高度な数学的事実の引用が、情緒あふれる物語のトーンを静かに引き締め整える。著者最高傑作の呼び声高い1冊。とうとう読み終えてしまいました『博士の愛した数式』。もっと時間をかけて大切に読もうと思いながらもずんずんリズミカルに読み進んで気がついたら終盤に差し掛かっていました。 ダ・ヴィンチで紹介されていた一文で興味を持ち、また大好きな小川洋子さん著作ということで迷わず購入した作品。もちろん内容は小川ワールドに彩られていました。つい先日"書店員が選んだいちばん売りたい本"として今年の本屋大賞に選ばれたそうです。装丁がまた読み終えた後にしみじみ見るときゅぅっと切なくなってきます。
息子を亡くした女が洋菓子屋を訪れ、鞄職人は心臓を採寸する。内科医の白衣から秘密がこぼれ落ち、拷問博物館でベンガル虎が息絶える―時計塔のある街にちりばめられた、密やかで残酷な弔いの儀式。清冽な迷宮を紡ぎ出す、連作短篇集。『寡黙な死骸みだらな弔い』読了。小川洋子のシュールな世界に久し振りに浸ることが出来て幸せ。読み終えるのが勿体無くてゆっくりゆっくり噛み締めるように読みました。なので、読了後すぐの感想は「あぁ終わっちゃった…」。
復讐。功名心。過去の清算。それぞれの思いを抱え、男たちは走る。3人の思いが交錯したとき、運命は大きく動き始める…。クールでファニーな殺し屋たちが奏でる狂想曲。書き下ろし長編。『グラスホッパー』読了。
スペース 加納 朋子 東京創元社 2004-05-31 by G-Tools |
クリスマス・イブを駆け抜けた大事件のあと、大晦日に再会した瀬尾さんと駒子。ふたりのキーワードは“謎”。『ななつのこ』『魔法飛行』に続く、待望久しい駒子シリーズ第三作。
脳に障害を負った少女とピアニストの道を閉ざされた青年が山奥の診療所で遭遇する不思議な出来事を、最高の筆致で描く癒しと再生のファンタジー。
旬の素材を扱う小粋な小料理屋「ばんざい屋」。オフィス街という土地柄、独身のサラリーマンやOLに密かな人気があったが、女将の吉永には他人に明かせない過去が…。女将を取り巻く人々との心の触れ合いを描く。 [bk1の内容紹介]
美味しい郷土料理を給仕しながら、夫の友人が持ち込んだ問題を次々と解決してしまう新しい型の安楽椅子探偵――八王子の郊外に住む作家の奥さんが、その名探偵だ。優れた人間観察から生まれる名推理、それに勝るとも劣らない、美味しそうな手料理の数数。随所に語り口の見事さがうかがえる、直木賞受賞作家の筆の冴え。解説・加納朋子ねむさんにオススメしていただいた作品。初芦原作品。安楽椅子探偵ものです。主人公は作家である「ぼく」。果たして探偵はこの「ぼく」?と思いきや鮮やかに事件を解決するのは「ぼく」の妻。この奥さんが実に良く出来た人なんです。私なんか読んでいて自分と比較したら恥ずかしいくらい。料理の腕前は最高、夫をたて、控えめに。世の男性はこんな奥さんが欲しいのだろう。私も欲しいもん(笑)。
夏の午後、畳に寝そべって、ツキコさんがセンセイに物語る、淡く切ない少女の頃の「昔のはなし」。「センセイの鞄」のふたりが過ごした、遠いこだまのような時間、もうひとつの物語。『センセイの鞄』を読む前、『パレード』は『センセイの鞄』の続編だと思っていた。けれどもこれは"もうひとつの物語"だった。
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