別冊図書館戦争1 有川浩/アスキー・メディアワークス
『図書館戦争』スピンアウト・別冊シリーズ第一弾!武闘派バカップル恋人期間の紆余曲折アソート!
覚悟はしていました。砂糖菓子ほどの甘さももう慣れっこになっているつもりでした。
でも、それがとんでもない間違いであったことを後悔しても時すでに遅しーっ!
結果、とろとろに溶けてしまいましたよ。
興味津々に身を乗り出し読んだかと思えば、「ぎゃーっ!」と赤面して仰け反り身悶え。
これを何度も繰り返してようやく読み終えました。ようやく、とは気持ちの問題でして実際には1日で読み終えてしまったんですが。何だかんだ言いながら私も結構こういうの好きなのか!?と自問してみたりして。答えは…如何に。
いい年した女がいちいち恋愛初心者の彼らに悶える図は自分で客観的に見ても恥ずかしいのですけど、もっともっと恥ずかしい人たちがここにいますから、もうたまりません。
でも確かに恋愛って幸せも喜びもあるけれど、反面常に不安が付きまとっているんですよね。この幸せがいつか終わってしまう不安、好きな人がいつか離れてしまうんじゃないかという不安。それはもうきっと恋した人ならばうんうんと大いに頷くことでしょう。
そしてあの山猿とまで称された郁がなんとも可愛くなっております。そしてその郁を可愛くした堂上がこれまたくぅ〜っと胸ときめくカッコ良さ。
これだけ大事にされたらもう女としたら最高でしょう。
今作では良化隊との絡みよりも人物に焦点を当てていてそのそれぞれの恋愛模様が描かれています。そして今回の主人公は郁と堂上。『図書館革命』のその後、あのラストに至るまでの紆余曲折が描かれています。正に紆余曲折。よくもまぁこんだけいろいろとやらかすなぁ、ってくらい盛り沢山な内容になっています。そのどれもこれもが読んでいるこっちが恥ずかしくて赤面してしまうくらいのもので、帯の「恋愛成分が苦手な方はご健康のために購入をお控えください。」は非常に適切なかつ丁寧な案内であることに読み始めて納得するのでありました。
図書館で日常的に起こる事件も各章ごとに描かれており、そのどれもがやはり考えさせられるものであり、ベタ甘ではあるけれどここはやっぱり有川さん、ただじゃ物は書かないよ、って粋なとこが好き。中でも4章「こらえる声」は衝撃でした。今や日常のニュースでも良く聞く問題ではありますが、その衝撃度は息を呑むほどでありましてあやうく私まで泣きそうになりました。リアルに響いてくるのは同じ母親として、男の子を育てた(しかもかなりのわんぱく坊や)者として気持ちは分かる、分かるけど…と理解の出来ない行動に胸が苦しくなりました。また男の子の気持ちを思うと。で、最後にまた泣きそうになりました。最初の感情とはまた違ったモノの。
それにしても名言があちこちに散らばっています(主に堂上)。それをかき集めて一人堂上萌えしていたい気持ちが高まります。変態です。
だって、あんなことこんなこと恋する乙女にしたらもう嬉しいことを、さらっと言ってくれちゃっているんですもの。そしてどんだけ愛されているか、大事にされているか、それが手に取るように分かるんですもの(郁には伝わらない部分があるようですが、それは郁だから(笑)そこがまた可愛いところ)。柴崎がちょっと羨ましい発言するの、分かります。
さて、次は誰のお話しが読めるんでしょうか。それを今から少々慄きながらも興味を持って…いや、楽しみに待つことにしましょう。
もうちょっとやそっとじゃ仰け反らないぞ!…たぶん。
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