1月の読書メーター読んだ本の数:11冊読んだページ数:2825ページ
少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)作品の枠は少女の友情物語であるけれど覗き込んでみれば悪意の色濃いこと。読後はじわじわと負の感情に包まれていきます。少女期の繊細さや孤独感、虚栄心の強さなどといったものに、「死」への好奇心を絡め少女の内面の移ろいを彼女らに語らせる。そこにはほのぼのとした和みを感じさせながら、実はその裏で蠢く真実を明かしていくのです。いや、これはなかなか巧い。唸りました。読了日:01月29日 著者:
湊 かなえ告白結局、人の憎しみはどこまでも続く底なしのように到達点はないのだなぁ。物語と言ってしまえばそれまでなのですが、妙に現実に起きたさまざまな事を盛り込んでいるものだからそこから生じるリアル感は相当なもの。いや〜見事に引き込まれました。第1章の「聖職者」が実に秀逸、そして衝撃。そしてその衝撃は最後まで容赦ありません。淡々とながらも静かなる断末魔が聞こえてくるようでした。見事です。読了日:01月28日 著者:
湊 かなえいやしい鳥ややや、これは想像以上でした。現実と非現実の狭間というかその境界線がぼんやり曖昧になって一体自分がどこに位置しているのか彷徨ってしまう不安感と不快感。彼らは至極真っ当なつもりなのだ。真面目に語られるものだから漂う不気味さはより一層濃さを増す。「いやしい鳥」「溶けない」も凄まじいけど、「胡蝶蘭」はしっとりした狂気があっていいわぁ。次作が待ち遠しい。読了日:01月26日 著者:
藤野 可織倒立する塔の殺人 (ミステリーYA!)装丁の美しさに惹かれつつ読み始めてみればその香り高き妖艶な調べにうっとりと魅せられてしまう。幻想物語にミステリが融合され、それだけでもわくわくするのですが魅惑的な美しさにもくらくら。この時代背景にあっても(いや、だからこそか)乙女たちの凛とした強さと美しさにハッとさせられます。生死が隣り合わせになっているからこその儚さがこの物語と調和していたように思います。堪能しました。読了日:01月23日 著者:
皆川 博子蟋蟀(こおろぎ)ああ、栗田さんの世界だ。このへんてこりんでユニークな世界に今回も魅了されました。突き放されそうで、でもすぅ〜と寄り添いぴたりと肌に吸いつく感覚がとても心地良い。ずっと漂っていたい気分。表題作の「蟋蟀」は秀逸。次に「ユニコーン」「アリクイ」「猫語教室」「鮫島婦人」、そして「サラブレッド」の馬絵さん(笑)馬絵さん可愛いなぁ。読了日:01月20日 著者:
栗田 有起Shelter(シェルター) (祥伝社文庫)整体師シリーズ3作目。江藤姉妹の過去の確執や現在抱える依存症の原因とも言うべき闇にぐぐっと迫って痛さを伴う読書でした。それを緩和してくれるのが小松崎の存在。彼は彼女たちを救う存在でもあるけれど、この作品にも必要不可欠な人物。そして力先生。彼の過去もちらっと出てきたりして興味深い。苦しみ、辛さ、痛み、悲しみが渦巻いて実はダークな内容。それぞれが自分の殻をちょっとでも打破して生きていく力強さに触れて少し痛みが和らぎました。読了日:01月18日 著者:
近藤 史恵茨姫はたたかう (祥伝社文庫)整体師シリーズ2作目。いやはや近藤さんの心理描写の上手さにぐいぐいと引き込まれ一気読みでありました。前作からのお馴染みの登場人物たちにも愛着があるからより一層楽しめる。「茨姫はたたかう」というタイトル。誰が茨姫で何故たたかうのか。女という生き物について悶々とするところ、そこから脱した時の清々しさ、どれも経験しているからこその共感。深いです。心に巣食う病気によってその殻である体に大きな影響を及ぼしているんだってこと力先生によって思い知らされる。もっと自分を大事にしなくては、と戒めてもらえる。3作目も楽しみ!読了日:01月18日 著者:
近藤 史恵カナリヤは眠れない (ノン・ポシェット)整体師合田力シリーズになるのですね。見かけでは分からない依存症を抱えた人々。社会の中で生きていく苦しみや辛さを感じながらも生きていかねばならない人間の心の闇をとても上手く描いています。これをミステリに絡めているところが面白い。力先生ちょっと変人だけど(笑)でもこんな先生に診てもらいたい。私の心の闇にも光を与えて欲しい…なんて。読了日:01月16日 著者:
近藤 史恵ジョーカー・ゲームやや、魔王・結城中佐に思いっきり惚れちゃいました。彼が登場するだけでテンション上がって嬉しくなって、何だか違う方向で読んでしまいましたけど…。「ロビンソン」みたいな話をもっと壮大にして長編にしてもらいたいわぁ。D機関の話をまた読みたい。もちろん結城中佐を前面に出してもらって。"とらわれるな"…くぅ〜カッコいい!最高!読了日:01月15日 著者:
柳 広司黒百合いや〜こ、これはすっかりやられてしまいました…。真相に近づくにつれて混乱ぶりが激しく、何度も戻って読み返してしまいましたわ。実に素晴らしい!ミステリと感じさせない物語の運び、けれどもしっかりミステリしているところ、全てが繋がったときの感嘆。そして静かに広がる余韻の深さ。青春小説としても堪能しました。再読必須!ですね。読了日:01月12日 著者:
多島 斗志之カタブツ堪能。ミステリというかサスペンスの色味があり大変楽しめました。こういうことって真面目に普通に生きていても起こりうるから怖い。深読みし過ぎの感もあるけれど、彼らの中で潜んで蠢く黒いものを感じて恐怖だった。自分に思い当たることもあったから尚更。「とっさの場合」などまさに、だもの。1篇1篇じわじわと余韻が残って仕方がないです。読了日:01月07日 著者:
沢村 凛読書メーター
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