8月の読書メーター読んだ本の数:14冊読んだページ数:1939ページ
イギリス海岸―イーハトーヴ短篇集 (ダ・ヴィンチブックス)宮沢賢治の地、岩手を舞台にした連作短編集。始めの「福田パン」を読んでからつるつると心地良く物語に入り込み、舞台である岩手にすっかり魅せられました。岩手の地に馴染んでいく翠と早々と岩手から離れ東京で暮らす梢の双子と彼女らを巡る物語はとてもとても静かで淡々としていてここに流れる空気も澄み切っていて。私は翠のお話しがとても気に入って彼女が幸せになれればいいなぁ、と思いながら読んだ。「中庭」の翠が淡く高揚する感じとか、でも失望感を滲ませたりとか、寂しい気持ちがどうしようもなく支配する感覚がたまらなく良かった。読了日:08月31日 著者:
木村 紅美昨日のように遠い日―少女少年小説選とにかく素晴らしい!と惚れ惚れする作品です。1編1編が実に魅力的。短編といえどあまりに短すぎるお話しもあって、そこに意表突かれながらするんと読みえ終えてしまう短さの中のなんたる豊潤さ。もう二度と戻れないあの頃のこと。それはたぐり寄せるにはあまりにも遠すぎて。素晴らしかった(自分が好きだった)のは、「大洋」「灯台」「パン」。読了日:08月28日 著者:
9の扉 リレー短編集ひゃ〜この豪華な執筆陣ですよ!これはもう素通りするわけにはまいりません。ということでいそいそとわくわくと読み始めましたら面白いこと、面白いこと。いや、結構気楽に読み始めていたのですが自然身を構えて力んで読んでおりました。お題のバトンを渡されてそこから紡ぎだされる物語の多種多様さには感動。どれも楽しめましたが特に素晴らしかったのは歌野さんでして。貫井さんからのバトンを実に上手く使って貫井さんもビックリのお話しに。アンカーの辻村さん「さくら日和」も綺麗でした。読了日:08月27日 著者:
北村 薫,法月 綸太郎,殊能 将之,鳥飼 否宇,麻耶 雄嵩,竹本 健治,貫井 徳郎,歌野 昌午,辻村 深月世界小娘文學全集----文藝ガーリッシュ 舶来篇文藝ガーリッシュの言葉と愛らしい装丁とこじんまりと手になじむ本の大きさと、何だかもう心くすぐられてすごく好き。舶来編ってことで翻訳ものの参考になるかしら?と手に取ってみました。それぞれの解説は参考になったものの、するんと入り込めないつっかえる何かがあってそれはガーリッシュという言葉に自分が当てはまらない所以なのかしらん。でもでもここに紹介された作品は是非とも読みたいし、ガイド本は大好きなのですよ。読了日:08月24日 著者:
千野 帽子あの子の考えることは変毎回本谷さんの書くものは不安定でそわそわしながらの読書(そしてイタイイタイと読む)。いつも見事な吸引力で引きずり込まれてしまうのだけど、今回はその引力が半端じゃなかった。語り手である巡谷と同居人である日田、対照的な(でも自意識過剰なところはいい勝負だわ)女2人のやりとりだったり、その暮らしだったり、心理描写が皮肉的でそこに笑いながらちょいとホロリしてみたり。必死に生きてマスっていう姿が空回りしているのも哀しいなぁ。でもでもこういうのって少なからず誰でも持っているのかも。ラスト秀逸。やっぱり本谷作品大好き。読了日:08月15日 著者:
本谷 有希子ことりのオデットかわいらしいタイトルと優しいタッチのイラストに惹かれて(レトロな感じが好き)。パリのアコーディオン弾きのおじいさんと小さなひなの物語。ある日偶然やってきたおじいさんとひなの生活。ちいさな可愛いひなにオデットと名前をつけてまるで自分の娘のように愛でるおじいさんがとてもとても優しくてキュンとします。オデットのおじいさんからの巣立ちと、それを優しく見守るおじいさん。そしてそのラストは…。おじいさんの優しさをそこに見たとき、温かく切なくまたキュンとしてしまうのです。読了日:08月14日 著者:
ケイ・フェンダー瓦経 (Coffee Books)日和さんの紡ぐ世界と、金井田さんの描く世界がそれはそれは見事に融合された贅沢な1冊。このシリーズはまだ2冊目なのですが早くも最高の1冊なんじゃないかと興奮気味。短篇どれもが秀逸で1話1話堪能しました。滑らかに流れる日本語を脳内でだけでなく声に出して読んでみたい。静かにそこにある世界、幻想的な世界に迷い込んでいつまでもとろとろとこの夢から目覚めたくないような気持ち。お気に入りは「摺墨」「裏白」「放生」「瓦経」。読了日:08月12日 著者:
日和 聡子,金井田 英津子水族 (Coffee Books)不条理でちょっとシュールなお話しが、淡く儚げに(けれども存在感は充分に)描かれた挿画に非常に良く合っていて、贅沢な読書でした。大人なビターな童話、と言っていいのかな。こういう雰囲気はすごく好き。次第に明かされるこの世界の正体、そして残酷で悲しい事実。まさに目くるめく世界でありました。読了日:08月12日 著者:
星野 智幸,小野田 維宵山万華鏡まさにタイトルの万華鏡のように綺麗な素材たちをぎゅっと閉じ込めてくるくる楽しむお話したち。それはこれまでの妄想系ファンタジーというよりも幻想的な美しさを感じました。いつもは知った路地も祭りの夜はどこか妖しい異世界への入口になっていたりして…なんてドキドキしてしまう。キラキラした祭りの表側とその灯りの影となる闇の降りた裏側の境目に迷い込んだような夢うつつな感覚が好き。お気に入りは「宵山金魚」と「宵山迷宮」。「宵山劇場」も大好きな『夜は短し』の世界に通じていていいわぁ。装丁の鮮やかさがもう万華鏡のよう。読了日:08月11日 著者:
森見登美彦薬屋のタバサ東さんの紡ぐ独特な世界。幻想的で詩的なお話しでした。自分の人生を葬ろうとしていた女が辿りついた、あるいは導かれた町、薬屋のタバサとの謎で不思議な暮らし。そこに身を任せることの安らぎと不安。終始主人公の定まらない心の如く読む側も落ち着かない不思議な感覚に捕らわれてました。ゆらゆらしたまんまの不安定な着地はぽわぽわといつまでもこの世界に漂っていられて好き。そして読み終えてあれこれと終わりの意味をとりとめなくぼんやりと考えてみたり。読了日:08月11日 著者:
東 直子クウネルの本 もっと私たちのお弁当料理本はめったに買わないんですが…。いやもう毎朝のお弁当作りネタ切れでして。夏休みに入って夫、高校生の長男、中学生の次男と3人分でございますの。クウネルのこのページ大好きだったので迷わずこの本を。お弁当箱の小さな世界。見ているだけでも楽しい。お弁当作りは苦痛なのだけどこうして見るともっと気楽に作ればいいんだなぁ、と。心と愛を込めて、また明日から頑張ろうっと。曲げわっぱのお弁当箱いいな。自分用に欲しい(笑)読了日:08月08日 著者:
クウネルお弁当隊ペンギンさん読了日:08月08日 著者:
ポリー ダンバーまいごのペンギン (にいるぶっくす)読了日:08月08日 著者:
オリヴァー ジェファーズIT’S A STAMP WORLD!―切手に恋して読了日:08月01日 著者:
読書メーター
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読了本、14冊かぁ。
内、絵本とか料理本とかあるので小説は10冊。
もっともっと読みたいけれど、本も相変わらず増えてますけど、やっぱりこのくらいが限界なのかなぁ。
とにかく読める時間をどうすれば確保できるか、それを課題に、の日々。
どれもこれもとても良かったです♪
『昨日のように遠い日』は特に!短編と翻訳ものの面白さをしみじみ感じさせてくれました。
翻訳ものって病みつきになりそうだわぁ。
一粒一粒極上の味わいでした。
Coffee Booksシリーズも面白く読みました。
中でも『瓦経』の素晴らしさといったら!
こんな贅沢な読書が出来るなんて、日本語を読めることの幸せをこれほどまでに嬉しく思ったことはないかも、ってくらい美しい本でした。
そして『風化する女』で気になった木村紅美さん。
次に『イギリス海岸―イーハトーヴ短篇集』を読んでみました。
淡々と流れるように紡ぐ文体がやっぱり心地よくて今回も堪能。
イーハトーヴをめぐる六つの物語。
「福田パン」からの流れがとてもスムーズでつるんつるんと。
木村さんの作品、次は『花束』を読んでみたい。
今月末には新刊『月食の日』が出るようなので、こちらも楽しみ。
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