9月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:1910ページ
山人奇談録「竹姫」「闇市」「雨祭」「幻獣」「神域」5編の各タイトルを見てもわくわくしてきます。そのわくわくをもっと超えるような異形の世界が広がっていて、素敵な物語でした。奇談録、と聞くとちょっと暗くて怖いイメージだったのですが、山のモノたちが今でも実際に息づいているのかも、と思えるような自然さで描かれています。それは怖さというよりもぽっと温かく灯るようなふんわり優しい印象。主人公の少女がとても自然体。山の神、異形のイキモノたち、四季の彩りの描きがとても素晴らしい作品でした。素敵な本に出会えて幸せ。
読了日:09月30日 著者:
六条 仁真三匹のおっさんいや〜正直おっさんの話でしょ、3人のおっさんでしょ…なんてあまり意欲的でなかったのです。有川さんだったら面白くないはずはないのは分かっているけれど、いやはやこれは痛快な素敵なお話しでした。なぜ今まで読まなかった!と激しく自分にツッコミ。おっさん3人が世にはびこる悪を斬る。有川さん曰く「現代版時代劇」。悪人を成敗するところなんてカッコ良い。そして有川さんといえば恋愛もちゃんと忘れていません。悶絶並みのベタ甘ではなかったけれど淡い綿菓子のようなふんわりとした可愛らしい恋が読めて幸せでした〜。
読了日:09月26日 著者:
有川 浩フリーター、家を買う。ずいぶんと重たくダークな物語の入口に戸惑いつつもすごく感情移入して読んでました。有川さんの作品はいつもいつも気持ちをぐわぁっと持っていかれてぐるぐる渦巻くのですが、今回は半端ないくらい感情揺さぶられました。読み手それぞれ肩入れするキャラがいるかと思いますが、主婦である私の場合誠治の家庭事情や母の病は突き刺さるものが。主婦は主婦なりに戦っているんだよなぁ。でもなかなかそれ分かってくれないし、吐露すれば愚痴とかになるし。溜めこむと自分がどうなっちゃうのだろうか、とすごく怖かった。続く
読了日:09月17日 著者:
有川 浩ダブル・ジョーカー結城中佐にまた会えるという高揚感に包まれながらわくわくと堪能。結城中佐にもっと前面に出てほしいと思ってましたが、いや結城中佐の輪郭はこのくらい曖昧でいいのだ、と。彼の存在感がどれほど圧倒的なのか知らしめるためにこの描き方が最も効果的なのだ、と今回しみじみ感じました。彼の過去を描いた「柩」は嬉しく読みました。ぽっと温かさが点る瞬間にくぅぅぅと悶絶。結城中佐の「とらわれるな」という言葉が鋭く突き刺さる読後感。何事にも完璧なD機関のメンバーがふと見せた、とある感情が人間らしさを感じさせて切なくもありました。
読了日:09月16日 著者:
柳 広司神様のカルテとっても素敵なお話し。人と人との触れ合いの温かさにうるうる。信州の地方病院で働く若き医師・栗原の飄々とした姿に見え隠れする現在の医療事情や大学病院と中小病院との明らかな違い、その小さな地方病院で働くことの限界さ。ユーモアでやわらかな文体の中でそれは辛辣をもって読者に訴えかけているようでした。そして患者の死に立ち会うこと、どんなに尽くしても果たしてそれが最善の方法だったのかと考える場面、苦しさが切々と伝わりました。シビアになりがちな医療を扱った作品をこんなに優しく和やかに読ませてもらえて幸せな読書でした。
読了日:09月16日 著者:
夏川 草介仏蘭西おもちゃ箱 (MOE BOOKS)もう幾度となく読み返したことでしょうか。とてもとても愛らしい絵本。こみねゆらさんがフランス在住の頃集めたというミニチュアのおもちゃたち。「わたし」と猫の「Mika」が19のおもちゃとその遊びの世界を案内してくれます。こみねさんの可愛らしいイラストと、愛らしいミニチュアおもちゃが見事に融合されて素敵な世界に。レトロな雰囲気がたまらなく懐かしい気持ちにさせてくれて、ぽこぽこ幸せ気分が生まれます。時を経て褪せていくさまがまた味わい深く、キュンとときめいてしまうのです。
読了日:09月14日 著者:
こみね ゆら青い月の物語再読の、再読の、再読の…。数えきれないくらい折に触れ手に触れ青い世界にたゆたゆと。月明かりにぼぅっと浮かんだ淡い光は、キンと硬質な響きが聞こえるようで、でもあたたかな宇宙の調べが聞こえるようで…何度でも魅せられてうっとりさせてくれます。
読了日:09月11日 著者:
ふちなしのかがみ現実と非現実の狭間をうろうろしていたらどちらにも戻れなくなってしまった、むしろ非現実のほうに踏み込んでしまった…非常に不安定な読後感。「おとうさん、したいがあるよ」のような一体どっちの言うことが正しいのか次第に曖昧になっていくさま、「ふちなしのかがみ」のあちら側にどんどん侵食されいつの間にか精神まで侵されてくいくさまが実に面白いのです。ストンと腑に落ちず、ざわざわといつまでも落ち着かない心情を抱えていられる。装丁のような甘く可愛らしいと見せかけて実は毒々しく恐ろしく。紙一重の恐怖、堪能しました。
読了日:09月10日 著者:
辻村 深月SF本の雑誌 (別冊本の雑誌 15)SFものは敷居が高くてなかなか読まないのですけど、でも憧れはあるのです。てことで、私にとっての入門書になればいいなぁ、と手に取りました。いやはやとーっても参考になります。深く考えずにコレ読みたい!って本を片端から読んでいけばいいんだよね、うんうん。と少し気が楽になりました。いや〜読みたい本がわんさか増えてしまって嬉しい悲鳴。未知なる世界を思うときはいつだってドキドキわくわくさせてくれるものです。何だかもう暇さえあれば開いてふむふむ読み耽っております。そして円城さんの短編「バナナ剝きには最適の日々」が秀逸。
読了日:09月09日 著者:
本の雑誌編集部読書メーター
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「SF本の雑誌」がなかなか面白くて、今でもパラパラ見ながらあれ読もう、これも読もう、とわくわくしているところ。
円城さんの短編がとても良くて、彼の作品をいつか読みたいと意欲満々。
ここではやっぱり『ダブル・ジョーカー』が一番好き。
D機関の続きを読みたい!ともう切望していましたので、狂喜乱舞で読みました。結城中佐はやっぱりカッコ良くて惚れ惚れ。
意識してなかったのですが、有川さんものが続いていました。
先日は『植物図鑑』も読み終えたし。いつもの有川さんの悶絶ラブストーリーではなかったけれど、いやはやどんな題材でも読ませますわ。
意外だったのは『神様のカルテ』、『山人奇談録』。
先入観なく何気に手にした本が思いのほか、いや思った以上に良かったときの高揚感は格別です。特に『山人奇談録』。
児童書と遠ざけるのはもったいないくらい素敵な本がたくさんなのですよね。
図書館で児童書コーナーを眺める機会が増えました。
そして辻村さんの『ふちなしのかがみ』。ホラーファンタジーという感じでしょうか。ひたひたと怖さが近寄る、という感覚がたまりませんでした。
たぶんブラックユーモアなんじゃないかと勝手に思っている「おとうさん、したいがあるよ」が好き。表題作も大好き。
幾度となく再読しては好きが増す、『青い月の物語』はもうもう素晴らしく愛する1冊。
心がさざ波立つときこの青い世界になだめてもらい、また元気になるのです。
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