10月の読書メーター
読んだ本の数:16冊
読んだページ数:1431ページ
ニコルの塔灰色の背景に、「ニコルの塔」と題された物語、見事に引き(惹き)込まれました。寄宿舎と授業塔を往復するだけの単調で静かな日々、地球のマントに刺繍する12人の乙女たち。それはまるで籠の中の小鳥のよう。そんな閉じられた世界が開かれた時が、この物語の本当の入り口であり、始まりなのです。物語の真実、そこから広がる新たな世界。どこか寂しくしんと静かなこみねさんのイラストと小森さんのファンタジーによって読み手の想像もさらに広がります。バロの3枚の絵から創り出されたファンタジー。たまらなく好き。幸せな読書時間でした。
読了日:10月30日 著者:
小森 香折,こみね ゆらあめふらし (絵本グリムの森)グリムのちょっと残酷なお話しと、出久根さんの魅力あふれる幻想的な絵がとても良く合っていて、堪能しました。「あめふらし」という物語がグリムにあったかしら?と記憶を辿ってみましたがどうやら大人になって初めて出会ったお話しです。大人でもこのお話しの結末はどうなってしまうのか好奇心いっぱいで読みましたから、残酷な場面もあるお話しを子供ならば余りある好奇心と想像力でどんな風に思い描くのだろうか、と思います。感性溢れる物語と絵、お気に入りです。
読了日:10月29日 著者:
グリム兄弟,出久根 育夜のスイッチ初ブラッドベリ。「夜のスイッチ」というタイトルと装丁に惹かれました。誰しも怖かったり苦手に思うものがあります。どうしても克服出来なくてずっと心に闇を抱えたまんま。暗いのが苦手な男の子の物語はダークな少女によってパチンッとスイッチが切り替わります。「夜のスイッチ」、タイトルが何よりも物語を語っていて素晴らしいのです。そう、発想をクルンとさせてみれば…今まで怖かったものも楽しく感じることが出来るのです。トトトン、と流れるように進むお話しと、マデリン・ゲキエアのイラストが最高に素敵〜。
読了日:10月24日 著者:
レイ ブラッドベリルリユールおじさん少し寂しい表紙にどんなお話しが?と扉を開いてみましたら…うわぁ〜これはとてもとても素敵!優しさに溢れていてじぃ〜んとしてしまいました。水彩の淡く優しい絵にのせたお話しが、本好きには興味深くわくわくドキドキの気持ちを高めてくれるのです。本の修復をするおじいさんの手元を興味津々に覗き込む女の子の気持ちになって私もお話しに入り込んでいました。パリの街のほんの小さな物語は少女の夢を大きく花開かせて、私まで幸せに満ちた時間を過ごせました。
読了日:10月21日 著者:
いせ ひでこ幻想文学1500ブックガイド図書館で借りたのですが、これはもう手元に置いてじっくりと時間をかけて読んで選んでまた読みたい、と欲望がむくむくしています。てことで是非ともこれは欲しい!それにしても1500もの作品のタイトルを眺めるだけでも楽しいです。これ読みたい、こっちも読みたい、とタイトルを書き出したらキリがありません。「幻想文学」と言ってもこれだけのジャンルと作品の数々にあらためて幻想文学は奥が深いわぁ、と感嘆しました。読みたい本はそのときの気分や環境でもずいぶんと変わってきますから、いつまでも手元に置いておきたい。
読了日:10月21日 著者:
石堂 藍,東 雅夫,「幻想文学」編集部ブック・イン・ピンク―おしゃれ古本ガイドこんな可愛いブックガイドを読んでしまうと、自分の中に密かにある乙女の気分がずんずんと目覚めてきちゃいます。気になっていた本、是非とも読んでみたい本が何冊もあって参考にしたいものばかり。秋から冬に足をしのばせるこの時期になると読みたくなる詩集に自然気持ちが向かいました。そしてもちろんの耽美文学も!図書館本であったゆえに手元から離れてしまいましたが、じっくり読むためにもぜひとも手に入れたい本です。
読了日:10月14日 著者:
山崎 まどかペローの青ひげ (講談社の翻訳絵本―famous fable selection)淡々と語られる恐ろしい物語。一見美しく彩られた青に鮮烈な赤色。子供の頃に怖々読んでやっぱり怖くて夢にまで出て、しばらく眠るのが怖かった、なんて思い出が鮮やかに蘇りました。怖いけれど何故か惹きつけてやまないお話し。エリック・バトゥーの画がとても魅力的で物語との妙なアンバランスさに惹かれます。
読了日:10月13日 著者:
シャルル ペローかようびのよるこの表紙から一体どんなお話しが?と、わくわくと扉を開けてみたらば…自分の想像をはるかに超えた不思議な、理解不能な世界が広がっていました。なんでここにこれが?という常識的な考えはこの際取っ払ったほうが良さそうです。なのでページを開きながら今のこの場面はね…と5歳の娘と想像合戦。子供のやわらかな豊かな想像力にハッとさせられています。
読了日:10月12日 著者:
デヴィッド ウィーズナーBとIとRとD夢見るようなぼんやりとした□ちゃんの瞳に映る世界は大人になった今では見えない世界。やがて夢から覚めた時のこの世界は□ちゃんにはどんな色に見えるのでしょう。ひとつひとつ大人になるために諦めなくてはならないこと、我慢しなくちゃならないこと、おうおう泣く□ちゃんが抱きしめたくなるくらい愛らしくて切なくてこちらまで泣けてきちゃいました。見えない誰かとお話しすること、ひそひそ内緒話ししているそんな姿を私はそう〜っと気付かれないように見守るのです。決して声はかけないのです。そして5歳の娘は未だ見えているようなのです。
読了日:10月10日 著者:
酒井 駒子終わらない夜何気なく見つめる絵に騙されていたことに気がついたときのヒヤリ感が凄まじく、それがまたたまらなく魅力的ですっかり魅せられてしまっていました。表紙の絵が特に大好き。夜、月の光が雲の間から射し込み、木々の影が水面に映し出された時、その水面にふと目をやると…幻想的な美しい絵にヒヤリとする怖さが。あ、雪の毛布も好きだなぁ。夜の闇に隠されたもの、月の光で浮かびだされるもの、一枚一枚の絵から物語が生まれそう。「月の乙女」、「白い毛布」「中世の月光」「ロウソクの回廊」など絵のタイトルも想像力をぷくぷくさせてくれます。
読了日:10月10日 著者:
セーラ・L. トムソン翼の時間 (ミキハウスの絵本)大切な1冊。「月光公園」を読んで大好きな「翼の時間」に戻りたくなってしまいました。で、再読。幾度となくこの世界に誘われてきたことでしょう。何度眺めても図書館の場面は感動的。
読了日:10月10日 著者:
東 逸子月光公園 (ミキハウスの絵本)ある月夜の晩、月光公園への招待券、いつもの公園の入口には不思議な番人。番人のニヤニヤ笑いが謎めいていて、一歩踏み込んだら一体どんな世界が広がっているのかしら?とわくわくが膨らみます。静かな夜、誰もいない公園、月の光を受けて夜だけにひらく花、耳をすませば微かな息づかいがそこここに。少女に誘われたその先は…夢現の世界がとてもきらびやか。東さんの幻想的な絵がとても美しくて魅せられます。
読了日:10月10日 著者:
宙野 素子ルチアさん私の可愛いを愛でる気持ちを思いきりこちょこちょしてくれる作品。もうずいぶんと昔々「たそがれ屋敷」に住む二人の女の子とルチアさんのお話し。スゥとルゥルゥの好奇心に輝く瞳は、ルチアさんのぴかぴかと同じくらい綺麗で素敵だったに違いありません。ここでないどこか遠いところを夢見る少女たちの、それぞれの人生を思うとき温かいようなでも泣きたくなるような寂しさが流れ込んできてキュンとしてしまいました。水色にキラキラ輝く宝石のようにこの本も私にとって宝物のように大切なものになりました。
読了日:10月08日 著者:
高楼 方子,出久根 育ルピナスさん―小さなおばあさんのお話ルピナスさんがまだ少女だった頃、アリスという名前で呼ばれていた頃、おじいさんと約束した事。「世の中を、もっと美しくするために何かをすること」。どうしたら世の中を美しくできるでしょうか?やがて大人になりさまざまな国を旅し、ひとつの土地に落ち着いた頃、ルピナスさんはあることを思いつきます。どんなささやかなことでも世界を美しくすることは出来るはず。それは決して難しいことではない。素敵な約束はまた後世へと継がれていくのです。ルピナスさんの人生を通して、水彩の美しい絵と共に優しく語りかけ教えてくれます。
読了日:10月06日 著者:
バーバラ クーニーミステリー―おいしい博物館盗難事件今日は「模写の日」。お弁当持っておじいさんと博物館へ。休館日だけど絵の好きな人には特別に入館させてくれるの。いつものように写生を始めるコブタちゃん。次なる場所を求めてそこらを眺めていると…あら?何かがヘン。なんと!博物館で盗難事件発生!犯人は一体誰?どうやって絵を盗んだの?コブタちゃんの推理が始まります。手がかりを追ってコブタちゃんと一緒に推理、推理。銅版画家・アーサー・ガイサートの細やかな画に魅せられます。緻密な絵の向こう側に自分もコブタと存在しているかのような豊かな想像力が生まれてきます。楽しい絵本。
読了日:10月04日 著者:
アーサー ガイサート植物図鑑ほろ酔い加減の帰り道、行き倒れた男子一人。「よかったら俺を拾ってくれませんか?」って可愛い男の子に言われちゃったら…。そりゃ不審者丸出しだし、怪しすぎるんだけど、このイツキくんが良く出来た子で。悶絶ラブも楽しめますが、この作品まさに「植物図鑑」として堪能出来ます。都会っ子でしたが、土手がすぐそばだったことで雑草にまみれて遊んでいた頃、すごく懐かしくてキュンとなってしまった。ちょっと視線を足元に落とせば自然はそこここに。植物図鑑片手にお散歩もいいかも。
読了日:10月03日 著者:
有川 浩読書メーター
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今頃のアップになってしまいましたが…
10月は見事に絵本と児童書ばかりです。
あ、『植物図鑑』と『ニコルの塔』以外(あとブックガイドも)。
この中で出会って良かったのは『ルチアさん』と『ニコルの塔』、
そして「終わらない夜」と「ルリユールおじさん」。
絵本や児童書だからって気を抜いてはいけません。
本当にハッとさせられたり、わくわくドキドキと気分を高めてもらったり、
しみじみと感動したり、と本当に素晴らしいものばかり。
有川さんの『植物図鑑』も良かったし、酒井駒子さんの『BとIとRとD』は本当に素敵で、小さな女の子の世界にとっぷり浸りました。
そして2冊のブックガイド!『ブック・イン・ピンク』は乙女心をくすぐられましたし、『幻想文学1500ブックガイド』はもうずっと手元に置いて時間があればいつでも眺めていたい本。
ああ〜これは是非とも手元に欲しいわぁ。
ブラッドベリの絵本も可愛かった。ブラッドベリ、他の作品も読もうっと。
(『猫のパジャマ』も借りたのですが、今回は読めず。またの機会に)
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