6月の読書メーター
読んだ本の数:16冊
読んだページ数:2807ページ
ナイス数:343ナイス
クマの名前は日曜日ある日少年のもとにクマのぬいぐるみがやってきた。名前は日曜日。僕はいつも日曜日といっしょ。大事に大切にしているんだ。でもさ、日曜日は僕のことどう思っているんだろう?子どもらしい視点で微笑ましく物語は進みますが、お話は夢の世界へ…。ちょっとシュールで可愛らしい。ミヒャエル・ゾーヴァの絵も味わいがあって素敵(表紙の絵が何だかいいんですよねぇ)。あまりにも愛情が溢れてしまうと相手がどう思っているのか不安になるのは子供も一緒。大丈夫、日曜日も大好きだよ!と少年に言ってあげたくなるくらい優しさに包まれたお話でした。
読了日:06月29日 著者:
アクセル ハッケなんでもハップン とんちん旧館物語図書館にて2歳の息子がえっちらおっちら(大型絵本なのです)大事そうに抱えて持ってきてじぃ〜っと穴が開くんじゃないかってくらい真剣に見ているので借りてきました。で、一緒に見始めたらなんて楽しい!私もすっかりとりこになってしまいました。100年以上も前に建てられた「とんちん旧館」。今は5階建てアパートに改築されています。とんちん住人たちのとある一日を時間ごとに描いているのですが、穏やかな平和な一日かと思いきや、えっ?うそ!ありゃまぁ…。と波乱万丈の一日。1ページ1ページが楽しくて何度でも眺めてしまいます。
読了日:06月29日 著者:
犯罪彼らは何故犯罪を犯さねばならなかったのか。それも常人には理解出来ない異様な犯罪を。弁護士である「私」が出会った実際の事件を元に綴った11の犯罪文学。事件はいかにして起きたか。犯人の生い立ちから淡々にけれども丁寧に綴られていきます。凄惨な場面、暴かれていく人間の本性…憎むべき犯罪のはずなのに彼らの人生の語りを読むにつれ、愛おしささえ感じてしまう。シンプルな文章と訥々とした語りの中に著者の真摯な気持ちが感じ取れて、魅了されます。その引き込まれ感は圧巻。「棘」が特に秀逸でずっと胸に突き刺さったままなのです。
読了日:06月27日 著者:
フェルディナント・フォン・シーラッハ木暮荘物語ああ、何だか私の奥底に沈殿されていた孤独感を浮上させられてしまったみたい。木暮荘の住人やそれに関わる人々の日常を綴りながら各人物のひっそりと仕舞われた気持ちを艷めいた文章で紡がれていきます。肌と肌が触れ合った瞬間、それまでなかった感情が生まれてその感情によって振り回されてしまう。穏やかな晴れの時もあれば、吹き荒ぶ嵐の時もある。そうやって乗り越えていくか、繋がれた糸がぷっつり断たれてしまうか。切ない思いいっぱいで読みました。中でも前田とみねちゃんの話が好き。続編で彼らのその後が是非とも読みたい。
読了日:06月26日 著者:
三浦 しをんずーっと いっしょ (世界の絵本)大好きな市川里美さん作品(絵のみ)。ひゃぁ!なんて可愛らしいのでしょう。くまの親子の姿を見て微笑ましくてきゅんとしちゃいました。でもそれと反して少し切ない思いも。今2歳2ヶ月の息子とぎゅ〜っとする日々。けれどもこの時期ってあっという間に終わってしまうのです。成人間近の息子達とのそんな日々を思い出してちょっぴり寂しくなっちゃいました。今でも一緒にお出かけしたり仲良しですけど抱きしめあう日々はもう来ないものね。だから余計にチビ息子との毎日を愛おしく大事にしようと思うのです。ずーっといっしょ、だよね。
読了日:06月26日 著者:
マリアン クシマノデカルコマニア21世紀に存在する少年が図書室で見つけた革装の古書「デカルコマニア」。そこには23世紀の少年によって書かれた(と言う)、時空を超えた不思議な一族の物語が綴られていた。「デカルコ」とは?そこに書かれた時空世界とは?複雑に絡み合う時代や人物達に戸惑いながらも長野さんの独特に彩られた世界に魅せられました。なぜ21世紀の時代に200年後に作られた本(しかも古書として)が存在するのか。その謎を解くための時空を超えた旅に読み手も誘われます。ファンタスティックで、どこか幻想的でもあって、不思議な時間旅行を堪能しました。
読了日:06月22日 著者:
長野 まゆみ不思議の国のアリスアリスが大好きで折りに触れ読むのですが、リスベート・ツヴェルガー絵の作品は初めて。ツヴェルガーの淡く優しい色使いながらシュールな様がとても好みで大好きな一冊になりました。絵本と呼ぶには絵よりも文章が多く、読み聞かせよりは自身で読みながら世界に入り込むのがきっとふさわしいのかも。やっぱり三月ウサギと帽子屋の「くるっくる茶会」が好き。チュシャ猫、トランプの女王も大好き。そしてそしてサカナ召使!可愛すぎます!絵の雰囲気によってお話の楽しみ方も変わってくるから面白い。他にもアリス本たくさん読んでいきたいです。
読了日:06月12日 著者:
ルイス キャロル月のかがく読了日:06月11日 著者:
えびな みつるかげ (講談社の翻訳絵本)なんて芸術的!なんてファンタスティック!とても楽しみました。子供の頃、自分の影が光の加減で伸びたり縮んだりするのを見て、自分とは別の意識を持った生き物のように思ったものです。ぐるんと影が私を飲み込んでしまうんじゃないか、って思い(妄想)がまさにここで描かれていて当時の怖い記憶が思い起こされて特別な思いで浸りました。闇の中で蠢く影、なにか企んでいるようで…。字のない絵だけの物語なので、読み手によっていろんな物語が生まれそう。妄想豊かに読めばさらなる不思議な世界が広がりそうです。『なみ』も是非読んでみたい。
読了日:06月10日 著者:
スージー・リーヒュペルボレオス極北神怪譚 (創元推理文庫)地球最後の大陸ゾティークの幻妖怪異物語に続く、超古代大陸ヒュペルボレオスとアトランティスの物語。今作もスミスの幻妖世界に心地良く浸りました。綴られる幻想怪奇な世界は詩的で澱みなく、言葉の美しさにうっとりと心酔。地底に潜む古代の邪神、魔物や妖術師が跋扈する世界、ギリシア神話に登場する土地ヒュペルボレオスにまつわる創造世界。異郷の物語も堪能しました。お気に入りは魔術師エイボンに絡む物語。特に「土星への扉」が好き。第三作品集(こちらのタイトルも素敵)が楽しみ♪そして今作も東逸子さんの表紙画が素晴らしく美しい。
読了日:06月07日 著者:
クラーク・アシュトン・スミスゾティーク幻妖怪異譚 (創元推理文庫)詩人である著者が紡ぎ創り上げた、地球最後の大陸ゾティークの物語。幻想怪奇の中に妖しく艷めく世界。終末世界で大きく存在し、支配するのは魔術や降霊術。暗黒的退廃的世界をここまで色鮮やかに艶美に感じるのはどうしてでしょう。たまらなく魅了されます。ゾティークへと誘う冒頭の詩から心地良く惹き込まれます。「降霊術師の帝国」「エウウォラン王の航海」「ウルアの妖術」「最後の象形文字」「アドムファの庭園」がお気に入り。解説も読み応えあり。東逸子さんの表紙絵が素敵です。
読了日:06月05日 著者:
クラーク・アシュトン・スミスシュゼットとニコラ (6)市川里美さんと矢川澄子さんの「シュゼットとニコラ」シリーズ。6巻目。あめふりつづきの日々を描いたこちらも愛らしいお話。せっかくの日曜日なのに朝から雨降りです。季節の神様のいじわる!いつまでも灰色どんよりのお空。おひさまが恋しい。でもでも雨降りでもおうちで遊べるのよ。あんなこと、こんなこと、いろんな遊びができるのよ。とにかく市川さんの絵が素晴らしいです。そして矢川さんの文章の優しさ。こんなに素敵な絵本がそばにあったらそれだけでもう幸せ。こちらも閉架図書だったのが本当に残念。いつか私の元にも、と思います。
読了日:06月05日 著者:
市川 里美シュゼットとニコラ (5)市川里美さんと矢川澄子さんの「シュゼットとニコラ」シリーズ。今回はゆめのどうぶつえんのお話。ニコラとシュゼットが動物園へ。そこにいるさまざまな動物たちには生まれ育った故郷があってそこはきっとこんなところよ。あんなところよ。と想像を膨らませます。動物たちの愛らしいこと!ニコラとシュゼットの夢の物語の素敵なこと!本の画像がでないのがとても残念なくらい装丁が素敵です。こちらも閉架図書だったのですが、これは是非とも古書店で探してずっと手元に欲しいくらい素晴らしい絵本♪眺めていると、すぅんと心癒されます。
読了日:06月05日 著者:
市川 里美シュゼットとニコラ 4市川里美さんの絵本を少しずつ楽しんでいますが、この「シュゼットとニコラ」シリーズはとーっても素敵!かわいい♪すっかりお気に入りになりました。文を矢川澄子さんが書かれているのも素敵です。シュゼットとニコラの村にサーカスがやってきました。サーカスが夏合宿をするのです。もちろんニコラたちも参加します。さぁ練習、練習。見るのとやるのとでは大違い。どうしたらあんなにすごい芸が出来るようになるのかしら。躍動感あふれるかわいらしい絵とどこまでも優しい目線の文章。図書館の閉架図書になっているなんてもったいないです…。
読了日:06月05日 著者:
市川 里美,矢川 澄子ねじまき少女 下 (ハヤカワ文庫SF)これほどまでに高揚し、胸高鳴らせながら物語に浸ることの幸せを噛み締めて堪能しました。ここに悪夢のように描かれる異質な世界が違和感なくするりと入り込んだのは(見慣れない単語等の説明書きが一切ないに関わらず)、混沌とした中での権力争いも、エネルギー源を失い、伝染病に怯える都市の姿が現在の日本においてリアルに迫ったことと、それ以上に運命に翻弄されながらも生命力に溢れた者らの強かさに魅了されたからだと。結局最後に笑うのは誰なのか。次々と語りと視点が切り替わるごとに増す、高揚感と爽快感がたまらない。最高でした。
読了日:06月02日 著者:
パオロ・バチガルピねじまき少女 上 (ハヤカワ文庫SF)タイトルに強烈に惹かれて手にしましたが、SF読みでない私に果たしてここに紡がれた世界観を理解出来るのかしら?と不安だったのですが、そんな不安はどこへやらこの入口に立ち扉を開けた瞬間にあっという間に呑み込まれてしまいました。枯渇した石油の代わりに主たるエネルギー構造・新型ゼンマイ、植物病に侵された穀物の耐病性を持つ遺伝子作物を生み出すカロリー企業…近未来のバンコクの混沌とした世界に生きる人々。主たる人物たちの語りが順に紡がれ交わる時、さらなる不穏な蠢き。物語後半からぐっと迫る疾走感に高揚し、下巻へ。
読了日:06月01日 著者:
パオロ・バチガルピ読書メーター
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