ひなたでゆるり

読書のコトとちょっぴり日々のコトブログ

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「ラストリゾート」

ラストリゾート
ラストリゾート

J.パトリック・ルイス著/ロベルト・インノチェンティ絵/青山南 訳/BL出版
長い道をぬけ、だれも通らないような崖をすぎ、わたしが行き着いたさきは、海辺にたつホテル「ラストリゾート」。扉をあけると、いきなり、鳥の声がひびきわたった。「迷いびとのかた!宿帳にお名前を!」想像力をなくした画家が体験する、不思議なリゾート・ホテルの物語。2003年ボローニャ・ラガッツィ賞フィクション部門特別賞作品。

ただそこにあるだけで存在感ある絵本。飾っておきたくなる美しい表紙。

想像力をなくしてしまった画家が辿り着いたリゾート・ホテルでの不思議な日々。
あらゆる既存のお話が出てきてそちらも楽しめました。
ここからまた新しい出会いが出来そうな素敵な絵本。
さて画家は想像力を取り戻せたでしょうか?

あとがきにとても丁寧に物語に登場する人物たちのことが書かれています。
中でも詩人と木の上にすわる紳士が気になりました。
是非とも手元に置きたい絵本。

読了日2011年11月5日
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「百年の家」

百年の家 (講談社の翻訳絵本)
百年の家

J.パトリック・ルイス著/ロベルト・インノチェンティ絵/長田弘 訳/講談社
100年の家がみつめてきた人々の毎日。2008年に国際アンデルセン賞画家賞を受賞したインノチェンティの新作。家を通してみつめる100年の歳月をことばの世界と細密な絵の世界が融合させた傑作。

何度も何度も読んで眺めてお話に酔って。これはなかなか離れ難い絵本。
とにかく絵が素晴らしい。

その時代時代の背景や雰囲気が家の色合いによって鮮やかに伝わってきます。
100年の歴史の中で人間と共に築き上げやがて朽ちてゆく。
一軒の古い家が自分の歴史を繙き語っていきます。
家と共に日々をつなぎ営む人々の喜びも悲しみも機織られ紡がれてゆく。
雨風から守り優しく見守りその役割を終えてゆく家の姿は静かに胸を打ちます。

愛しさに満ちた絵本。大切な一冊になりました。

読了日:2011年11月5日
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「ギャシュリークラムのちびっ子たち―または遠出のあとで」

ギャシュリークラムのちびっ子たち―または遠出のあとで
ギャシュリークラムのちびっ子たち―または遠出のあとで

エドワード・ゴーリー/柴田元幸 訳/河出書房新社
AからZまでが名前の頭文字についた子どもたち。登場と同時に次々と怪我や死に遭う。ただそれだけの、あっけなくも悲惨な話が、マザーグース風の2行ずつ脚韻を踏んだ軽快なテンポのうたに乗って進む、エドワード・ゴーリーの代表作。

完全大人のための絵本。
娘と借りに行ってこっそりこの絵本は抜き出して夜中に読んだ。

ゴーリーの緻密な線画によって創りあげられた世界観。
アルファベットブックになっていて順番に子供たちが悲惨な最期を迎えてゆく。
このちびっ子たちが一体どんな悪いことをしたの?いいえ、悪さなんてしていないのです
(もしかしたら一人や二人はいけないことをしてしまったのかもしれないけれど)。
もの凄く凄惨なお話なのに何故か可笑しみも漂う、ゴーリーワールド全開な絵本。

読み終えて私の中の闇の本棚にそぅっと仕舞った。

読了日:2011年11月5日
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『 鉱物見タテ図鑑 鉱物アソビの博物学』フジイキョウコ

鉱物見タテ図鑑 鉱物アソビの博物学 (P-Vine Books)
鉱物見タテ図鑑 鉱物アソビの博物学
フジイキョウコ/ブルース・インターアクションズ
花のような星のようなお菓子のような自然界の石たち。
イマジネーションひろがる美しい色と形。
何億年もの時が創りだした、摩訶不思議なミネラルワールド集めました。

鉱物を薔薇に見立てた表紙に、鉱物好きならばそのまま素通り出来るはずがありません。
手にとって本を開けば好きの気持ちがさらに高まって恋に変わってしまうはず。
美味しそうなお菓子のような鉱物など奇跡の産物に惚れ惚れ。

鉱物についての説明もきめ細やかで、登場する小説の一片を紹介し、そのタイトルまでも美しく想像豊かに鉱物世界へ導いてくれます。
例えば「地界古書」「墜ち羽」「玻璃の翼」「ミルフィール時間」「月下の滝」など。
鉱物好きにはたまらない1冊。
鉱物に興味のある方には是非ともこの美しい石たちの姿を見て欲しいです。

私が持っているのは、ふわふわ綿毛をまとったオーケン石、翠色ジュレのような方解石、
淡いピンク石に薄い層が踊るピンク霞石。
先日新たに仲間入りした月長石と白雲母。

こちらが先日お迎えした鉱石たち。

月長石と白雲母。
小さな標本函に眠る小さな鉱石たち。【鉱石標本函《月と雲》】

読了日:2011年10月26日
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『鉱物アソビ 暮らしのなかで愛でる鉱物の愉しみ方』フジイキョウコ

鉱物アソビ 暮らしのなかで愛でる鉱物の愉しみ方 (P-Vine Books)
鉱物アソビ 暮らしのなかで愛でる鉱物の愉しみ方
フジイキョウコ
かわいい雑貨を集めるように、四季折々の花を飾るように、暮らしのなかで、石と戯れる。
宝石よりも愛おしくなる美しき、ミネラルワールド。宮沢賢治、澁澤龍彦、稲垣足穂など、多くの趣味人に愛されてきた鉱物の世界へ、ようこそ!

もう幾度となく眺め、その度に鉱物たちに心惹かれ鷲掴みにされる本。
鉱石好きにとってうふふ、むふふな本。

鉱物が高嶺の花ばかりでなく、暮らしの中に雑貨のように何気なくそこに置く提案もされていて鉱物が身近に感じられます。
鉱物に出逢える場所や扱い方、戯れ方などもあって美味しいアソビがぎゅっと詰まっているお菓子箱のような本です。
そして鉱石への思いを芽生えさせてくれた宮沢賢治や稲垣足穂の世界にまた触れたくなります。
小さな石を愛でることは石好きにとってはこの上ない癒しであり心和むことなのです。

読了日:2011年10月26日
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『ようこそ、自殺用品専門店へ』ジャン・トゥーレ

ようこそ、自殺用品専門店へ
ようこそ、自殺用品専門店へ
ジャン・トゥーレ著/浜辺貴絵 訳/武田ランダムハウスジャパン
老舗の「自殺用品専門店」に大問題発生!
店を営む超ネガティブ一家に、無邪気な明るい赤ちゃんが生まれ、店は経営危機に!?

奇妙なタイトルにどこか可愛い表紙、とことんネガティブな(家族の名前が自殺した有名人たち)テュヴァッシュ一家のブラックユーモアな物語。
死を漂わせながら彼らは絶対に死ねない運命だったり、未来も希望もなくただ淡々と生き、自殺志願者に確実に成功する品々を売る日々。
そんな一家に誕生した末っ子アラン。
底抜けに明るくその可愛らしさに触れてゆくうちに家族たちに少しずつ変化が。
これから一家で新たな一歩を踏み出そうとしていたのに‥。
思いも寄らない結末に衝撃を受け、読み終えてなおアランが生まれた意味をぐるぐる考え続けている。

まさかこんなに重たい余韻を突きつけられるとは。
アランの達観したような行動にさらに衝撃度が増してぐんぐん落ちていくような読後感。
もっとおどろおどろしいものを想像していたので憎めない一家のキャラクターに微笑ましささえ感じました。

来年春フランスでアニメ映画化(予告編:You Tube)されるということで楽しみ。
予告見ましたがなかなか好みの世界観で是非とも観てみたいです。

読了日:2011年10月24日
かりさ | - | comments(1) | trackbacks(1) | 

「Pooka+―酒井駒子 小さな世界」

Pooka+―酒井駒子 小さな世界
Pooka+―酒井駒子 小さな世界
学習研究社
今や定番となった『よるくま』(偕成社)、ブラチスラバ世界絵本原画展(BIB)で金牌を受賞した『金曜日の砂糖ちゃん』(偕成社)、名作を見事にリメイクした『ビロードのうさぎ』(ブロンズ新社)…。日本のみならず、世界からも新作絵本が待ち望まれる絵本作家・酒井駒子さんの作品は、まるで天からの贈り物のよう。子どもから大人まで心をとらえて離さない物語と、静ひつさをたずさえた芳醇で美しい絵。彼女の紡ぎ出す魔法に包まれた箱庭のような小さな世界を、酒井さんが自ら考えた10の言葉に導かれながら、一緒に旅しましょう。

酒井駒子さん特集。やっとやっと読めました。
もう〜ぎゅうぎゅう抱きしめたいくらい愛らしい!
酒井さんの暮らしや好きや生い立ちなどが読めることも貴重(幻のお仕事も!)。
表紙カバーイラストを手がけられた作品リストは嬉しい。
本棚がうっとりするくらい素敵でじぃっといつまでも背表紙眺めてしまう。
酒井さん好きだーの気持ちをさらに高める1冊です。

書きおろしの「お人形さん」が好き。
物憂げな表情、夜のように黒の背景、どこか寂しいけれど温かな雰囲気、
酒井さんの紡ぐ世界はこんなにも愛おしい。

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「マイマイとナイナイ」

マイマイとナイナイ (怪談えほん2)
マイマイとナイナイ
皆川博子・文/宇野亜喜良・絵/岩崎書店
マイマイは、森の中で小さい小さい弟、ナイナイをみつけた。マイマイは、ナイナイをこわれた自分の右目にいれて、そっと右目をあけてみる。すると、そこには不思議な世界がひろがっていた。皆川博子と宇野亜喜良コンビによる、美しく、怖い物語。

皆川博子さんと宇野亜喜良さんの幻想的で妖艶な世界に酔いました。
これは夢の世界なのでしょうか。夢からもう抜け出せずもがき続けるしかないのでしょうか。
声を枯らして叫び続けても。
夢に閉じ込められたマイマイはきっと誰の心にもひっそりと存在するのかもしれません。
いつしか置き忘れてしまったあの時の自身かもしれません。
私たちはマイマイとナイナイがくるりと入れ替わったその瞬間を気づかずに歩み出す。
か細き声で呼んでももう気がつかない。
皆川さんの美しく妖かしの世界にただただ魅了されます。

読了日:2011年10月14日
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「悪い本」

悪い本 (怪談えほん1)
悪い本
宮部みゆき・文/吉田尚令・絵/岩崎書店
この世のなかのどこかに存在している悪い本は、あなたにいちばん悪いことをおしえてくれるでしょう。そんな本いらない? でもあなたは悪い本がほしくなります。きっとほしくなります。宮部みゆきと吉田尚令が子どもたちに贈る、この世でいちばん悪い本。

可愛らしいけれど、どことなく怖さがじわっと滲み出てくるような表紙に惹かれつつ本を開いてみれば、そこには言い知れぬ黒い世界が。
読みながらひたひた押し寄せる怖さ。
読み終えてじわじわ侵食してくる怖さ。
でも病みつきになってしまう怖さ。
心の奥底に潜む自分の暗黒部分を起こされるような妙なざわざわ感が残って、いい意味で気味悪い読後感。

今は理解出来ずとも子供に読ませていつか大人になった時どこかで蠢く違和感を感じる‥
潜在的にひっそりと棲み続けるであろう怖い世界。
宮部さんの文章と吉田さんの可愛くて怖い絵が絶妙で素晴らしい。

読了日:2011年10月14日
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『茗荷谷の猫』木内昇

茗荷谷の猫
茗荷谷の猫
木内昇/平凡社
新種の桜造りに心傾ける植木職人、乱歩に惹かれ、世間から逃れ続ける四十男、開戦前の浅草で新しい映画を夢見る青年――。幕末の江戸から昭和の東京を舞台に、百年の時を超えて、名もなき9人の夢や挫折が交錯し、廻り合う。切なくも不思議な連作物語集。

はらはらと舞い散る桜のように儚くも、人の命はその時代、その土地に確かに存在し出会い別れまた廻り来る。
生を受けた時代をその今を懸命に生きる姿、移ろう時代が確かに繋がっている。
ゆるやかに繋がってゆく話のひとつひとつがとても良く、はっとさせられることもあり、しみじみ深々と感じ入ったのでした。

「染井の桜」「仲之町の大入道」「隠れる」「てのひら」がお気に入り。
「ぽけっとの、深く」ではとある場面で胸が締め付けられじんわりと。
柔らかく包まれる読後感。
染井吉野であろうか桜の表紙が美しく読後の余韻に浸りながら眺めている。

読了日:2011年10月2日


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